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空き家の家主7割が「放置でOK」、国の対策が空振りする理由

古田雄介
2016年11月3日
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2030年頃には2000万戸にも達すると言われている全国の空き家。行政も対策に本腰を入れるようになってきたが、いまだ解決の道筋は見えてこない。そんななか、空き家の持ち主からの相談を引き出して再利用を活性化させようとしている動きもある。空き家サービス「空き家手帳」を展開するベンチャー企業・うるるに話を聞いた。

いまは7~8軒に1軒が空き家
15年先には10軒に3軒が空き家になる

 自宅の周りを30分程度散歩してみると、人の気配がしない空き家を目にすることはないだろうか。あからさまな廃屋はなくても、玄関やドアノブにホコリがたまっていたり、庭の雑草が手つかずになっていたりする家屋があれば、空き家である可能性が高い。

 2013年時点で日本にはおよそ820万戸の空き家があり、総住宅数の13.5%に及ぶ。実に7~8軒に1軒の割合だ。きちんと管理されているなら、外部からはそれと分からないので気づきようもないが、住宅密集地なら1ブロックに1~2軒が空き家になっている計算になる。散歩中に5軒以上見つけたとしても、そこまで驚くことはないわけだ。

国は増え続ける空き家対策に力を入れているが、空き家オーナーの7割以上が「何もしていない」まま。売るにしろ活用するにしろ、具体的な「メリット」を提示しない限り、所有者は動かない

 今後、空き家は増加の一途を辿ると言われている。野村総合研究所が16年6月に発表した予測によると、33年には約2150万戸に達し、空き家率は30.2%にまで上昇する。

 20年も経たないうちに、10軒に3軒が空き家という事態になる計算だ。

 空き家が増えると、火災や倒壊リスクが増し、不法入居者が集まる心配も生まれる。治安と景観を損ね一帯の価値が下がるなど、地域全体、ひいては国全体の負債となってしまう。

 そこで国も本腰を入れて対策に乗り出すようになり、15年5月には「空き家対策特別措置法」を施行。景観を損ねたり、倒壊の危険のある空き家は住宅向けの固定資産税軽減対象から除外されるようになり、最悪の場合、市区町村が強制撤去後に所有者へ費用を請求できる仕組みができた。また、16年6月には、国土交通省がこれまで地方自治体単位で運営してきた空き家のデータベース「空き家バンク」を一元化し、17年度予算案に経費を盛り込むとも発表している。

 しかし、それだけで解決すると楽観視する声は聞かない。

 「空き家を処分するにも、共有名義で所有者が複数いて身動きがとれなかったり、道路に面していないから市場的な価値がつかなかったりすることも多くて、『売りたい』『貸したい』『どうしたい』の段階まで辿りついていない方が非常に多くいます。まずはそうした人たちの潜在的なニーズをくみ取ることが重要だと思います」

 そう語るのは、16年9月に空き家所有者と事業者のマッチングサイト「空き家手帳」を立ち上げたベンチャー企業・うるるの代表取締役・星知也氏だ。

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