ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
岸博幸のクリエイティブ国富論

「政治不在」ここに極まれり!
NHK会長人事迷走を招いた元凶は誰か

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第122回】 2011年1月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 NHK会長人事が大揺れに揺れています。ただ、報道ではNHKの経営委員会の問題ばかりが指摘されていますが、本当にそうでしょうか。民主党政権のだらしなさも多少は影響しているのではないでしょうか。

経営委員会の対応は論外

 まず、経緯をざっとおさらいしましょう。

 NHKの経営を監督する組織である経営委員会は、NHK会長を選任する権限も有しており、現会長の福地氏の任期が今月24日に満了となるため、次期会長探しを行なってきました。

 昨年12月の段階で小丸経営委員長から安西氏(元慶応大学塾長)に「経営委員会の総意として」会長就任を依頼し、安西氏は受諾したのですが、12月末に「会長就任に当たって3条件を要求」といった記事がメディアに出ると、1月5日の経営委員会の非公式会合では一転して就任反対の声が強まり、安西氏の就任辞退に至りました。

 福地氏に再任を受ける意思はないため、あと10日足らずの間に次の会長候補を決めなくてはならず、臨時で経営委員会を2回開催する予定になっていますが、なぜこのような無様なことになったかと言うと、小丸経営委員長のみならず、経営委員会全体に最大の責任があることは間違いありません。

 会長就任を一度依頼しながら、メディア情報で簡単に判断を翻したことはもちろんですが、それに加え、二つの問題があります。

 第一に、メディアへのリークはNHK内から流出しています。内部の特定の人たちが明確に安西潰しを狙って仕掛けていますので、経営委員にも直接根回ししたかもしれません。経営委員は、その人たちがどのような意図でリークしたのか、その意図は正しいのかを考えたのでしょうか。

 私のところには、NHK内の特定の派閥の人たちが復権を狙って仕掛けたという情報が来ています。もしそれが本当なら、それに踊らされた経営委員たちは、安西氏について間違った判断をしたのかもしれないのではないでしょうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


岸博幸のクリエイティブ国富論

メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

「岸博幸のクリエイティブ国富論」

⇒バックナンバー一覧