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街歩きがもっと面白くなる!東京23区の商店街―データでわかるパワーと魅力

杉並区の商店街――消費が大量流出する一方、人を虜にして離さない“山の手ブランド”の魔力

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],東京23区研究所,フィルモア・アドバイザリー
【第7回】 2011年1月19日
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 杉並区の商店街と言えば、まず思い浮かぶのが「高円寺阿波踊り」だろう。1957年(昭和32)年に、現在のパル商店街に青年部が誕生したことを記念して行なわれたのが、その始まりである。おはやしは、チンドン屋が奏でる佐渡おけさ。「阿波踊り」ならぬ、阿波踊り「のようなもの」だったとか。

 1回目の観客はわずか2000人。2回目でようやく5000人。何度も存続の危機を乗り越えながら、今や踊り手1万人、見物客100万人にまでなった。一商店街のイベントは、街が総出となる祭りへと成長した。

商店数は多いが規模が小さく、
販売力が弱い杉並区の商店街

 典型的な山の手住宅区である杉並区の商業の特徴を一言で表わすと、「数は多いが規模が小さい」ということになる。データでおさらいしておこう。

 区内の商店街数は140と、大田区、世田谷区に次いで3番目に多い。小売店舗数が5位、専門店数が4位、面積が8位であることと比べると、買い物の利便性は決して悪くない。

 次は規模のデータ。宅地に占める住宅用地の割合は、最高である。反して、商業施設用地(専用商業施設用地と住商併用施設用地の合計)の割合は最低だ。狭い面積の中に沢山の店があるから、1店当たりの平均売り場面積は20位、専門店に限ると21位とどうしても小さくなる。

 規模が小さいと、販売力には限界が生じてくる。その結果、小売販売額は16位、専門店では15位と中位以下に落ち込む。小規模ゆえに競争力にも欠けるため、過去5年間の販売額の増加率は、全店舗合計が22位、専門店も21位に甘んじている。

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

フィルモア・アドバイザリー

2006年11月、海外機関投資家向けの独立系リサーチ会社として設立。現在は数値データのグラフ化・共有サイト「vizoo」、グラフ投稿サイト「Figit」の運営を行うほか、メディア向けにグラフを用いた特集記事等を配信。
フィルモア・アドバイザリー


街歩きがもっと面白くなる!東京23区の商店街―データでわかるパワーと魅力

世は空前の「街歩き」ブーム。老若男女を問わず街歩きの人気スポットとなっているのが、古きよき時代の風情が漂う商店街だ。世界一の都市圏である東京と、その中心となる23区。それぞれの区の「区民性」も異なれば、そこに根付く商店街にも、それぞれ別の「顔」がある。そんな商店街のなかには、廃れるどころか新しい時代のニーズを採り込み続け、絶えず進化し続けているものも少なくない。本特集では、その区に住む人、その区を訪れる人を惹きつけて止まない商店街にスポットを当てて、そのパワーと魅力について、区や商店街に関連したデータと共に紹介する。東京の街歩きを楽し見たい人は、必見!

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