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和製アマゾン?寺田倉庫が「倉庫業」で生き残れる理由

曲沼美恵 [ライター]
【第13回】 2016年11月28日
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執行役員の月森正憲さんと「minikura」チームリーダーの柴田加那子さん
Photo by Toshiaki Usami

寺田倉庫は、いったい何をしている会社なのだろうか。社名に「倉庫」とあるにもかかわらず、ホームページには「ワイン」「アート」「メディア」などのキーワードと共に美しい写真が並ぶばかりで、「いったい何が本業なんだ?」と翻弄される。「得体の知れない感じが、またいいみたいで」と語るのは、執行役員の月森正憲さんだ。5年前にスタートした「minikura(ミニクラ)」事業の責任者でもある。

執行役員は元フォークリフトの作業員

 見るからに切れ味鋭い、という印象ではない。どちらかと言えば飄々として朴訥。だが、発する言葉の1つひとつに説得力を感じる。理由はすぐに判明した。「私はもともと現場でフォークリフトの操作をしていたんです」と、月森さんは言った。

月森さんが寺田倉庫に入社したのは、1998年のこと。当時は、倉庫で汗だくになりながら働いていたという

――えっ、フォークリフトを操作されていたんですか?

 「入社したのは1998年ですから、今から18年くらい前のことになります。当時、寺田倉庫には3つの事業ドメインがありました。1つは物流、次がトランクルーム事業、もう1つが不動産。私はこのうち物流部門に配属されたんです。

 てっきりスーツを着て内勤の仕事をするのかなと思っていたら、ぜんぜんで(笑)。夏場は倉庫の作業で汗だくになるため、Tシャツに短パン、リュックサックを背負って出社していました」

――具体的にはどんな作業を?

 「海上コンテナってご存じですか? 出社するとですね、倉庫の前に20~40フィートくらいあるコンテナが8隻ぐらい、ずらり並んでいるんです。そのコンテナの中に3000箱から4000箱くらい、入っている。中身がワインですと、ひと箱あたりの重さが15キログラムくらいにはなるわけですが、それを全部、手で降ろさないといけないんです」

――じ、人力で!?

 「コンテナを開けまして、種類別にワインを仕分けながら荷降しをするんです」

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


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