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ユニーク企業の仰天戦略

「ガリガリ君」工場見学はなぜ倍率500倍の大人気なのか

曲沼美恵 [ライター]
【第6回】 2016年7月19日
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赤城乳業「本庄千本さくら『5S』工場」の工場見学へいざ出発! Photo by Toshiaki Usami

夏だ、アイスだ、ガリガリ君だ!

というわけで、今回はガリガリ君の製造・販売元である赤城乳業をレポートする。8年間も値上げを我慢した挙句、「お詫びCM」を流せば、それが海外メディアにも報じられるなど、この会社は何か“持っている”。「強小カンパニー」を目指しているあたりも、このシリーズにぴったりだ。きっとまだ報じられていない仰天戦略があるはず――。そう思い、カメラマンと編集担当H女史ともに、まずは工場見学へと向かった。

埼玉県「本庄千本さくら『5S』工場」にいざ出陣!

工場の入り口ではガリガリ君がお出迎え
Photo by T.U.

 都内某所に集合し、カメラマンの車へと乗り込む。目指すは、埼玉県本庄市にある赤城乳業の「本庄千本さくら『5S』工場(以下、本庄工場)」である。

 「赤城乳業の本社って、埼玉県深谷市にあったんだねぇ」と、ハンドルを握りながらカメラマンU氏がつぶやく。すると、編集担当H女史までもが「そうなんですよね、私もてっきり群馬県かと思ってました」と言う。

 なるほど、多くの人が赤城と聞いて思い浮かべるのは、群馬県の赤城山。赤城乳業躍進の秘密を調べた『言える化』(遠藤功著、潮出版社)という本によれば、社名はたしかにこの赤城山に由来しているのだが、実際の赤城山とは縁もゆかりもない。

 高さで言えば赤城山は他の山々に劣るものの、その裾野は広い。それにあやかって多くの人に愛される会社になるよう、「赤城乳業」と名付けたらしい。会社設立は1961年だが、その前身は合名会社広瀬屋商店と言い、1931年に作られている。現会長である井上秀樹氏の祖父、徳四郎氏が埼玉県の深谷駅前で開いた食堂が原点だ。

「本庄千本さくら『5S』工場」の外観 
Photo by T.U.

 と、もろもろ頭に叩き込んでから現地へと向かったのだが、工場に着くなり、営業本部マーケティング部部長の萩原史雄氏から以下のような説明を受けた。

 「厳密に言うと、食堂の前に商社みたいなことをやっていたらしいんですよ」

 「しょ、商社ですか?」

 「埼玉県深谷市は利根川水系に属していまして、その流れを利用した物流に携わっていたという話を聞いています。その頃、材木や何かと一緒に氷も運んでいた。戦前は冷凍設備も持っていたようですが、うち、昔の資料がほとんど残っていなくて、正確なところはよくわからないんです」

 氷を運んでいた流れでなぜか食堂を開くことになり、そこでかき氷を売り出したら人気が出て、やがて最初のヒット商品「赤城しぐれ」につながったということのよう。

 まあ、古い話はよしとして「まずは工場を見せていただきましょう」と、一般の見学者と同じコースを案内いただくことにした。

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


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ユニークな商品・サービスを生み出している会社には、どんな経営者がいるのだろう?大企業には真似できない仰天の戦略でグローバル時代を生き残ろうと模索する、「小さな巨人たち」を追いかける。

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