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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

意思決定の出発点は仮説
まず意見を持つことを奨励し
次に現実の検証を求めよ

上田惇生
【第227回】 2011年1月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「意思決定についての文献のほとんどが事実を探せという。だが、仕事のできる者は、事実からスタートすることなどできないことを知っている。誰もが意見からスタートする」(ドラッカー名著集(1)『経営者の条件』)

 ドラッカーは、事実を探すことから始めるのは感心したことではないとさえいう。なぜなら、誰もがするように、すでに決めている結論を裏づける事実を探すだけになるからである。見つけたい事実を探せない者はいない。

 意思決定も科学と同じように、仮説が唯一の出発点である。われわれは、仮説をどう扱うかを知っている。論ずべきものではなく、検証すべきものである。

 初めに意見を持つことを奨励しなければならない。そして意見を表明する者に対しては、現実による検証を求めなければならない。

 米GMのアルフレッド・P・スローンは「それではこの決定に関しては、意見が完全に一致していると了解してよろしいか」と聞き、出席者全員がうなずくときには「それではこの問題について異なる見解を引き出し、この決定がいかなる意味を持つかを理解するための時間が必要と思われるので、次回さらに検討することを提案したい」と言ったという。

 不思議なことと言うべきか、当然と言うべきか、これまでの不祥事の多くが、役員室で意見の対立を見ることなく行なわれている。

 「意思決定において重要なことは、意見の不一致が存在しないときには決定を行なわないことである」(『経営者の条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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