
職場の人間関係に悩み、退職してしまう人は少なくありません。人手不足の昨今、リーダーにとってこれは避けたい事態です。職場で生じる人間関係の問題について、どのように対処すればよいのでしょうか。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)
職場の人間関係悪化
リーダーはどう対処する?
退職理由の上位に挙げられるものとして、「職場の人間関係」があります。特に社員数の少ない中小企業では、この問題が退職に直結することが珍しくありません。職場の人間関係の悪化は、ときには、それだけで「もう辞めたい」と思わせるほど深刻な問題にもなり得ます。
中小企業の経営者にとって、この問題にどう向き合い、どう解決していくかは、とても重要な経営課題です。

小宮コンサルタンツ代表
職場の人間関係がこじれる原因は一概には言えませんが、社員本人の性格や対人スキルに原因がある場合もあれば、上司の接し方やマネジメントスタイルに問題があるケースもあります。
例えば、普段は同僚とうまくやっている人が、「あの上司のもとではどうしても働けない」と感じているとしたら、その上司がパワハラ気質である可能性があります。こういったケースでは、経営者や上位管理職が状況をしっかり把握しておかないと、優秀な社員が次々と辞めてしまうという事態にもなりかねません。
具体的な対処策としては、パワハラ傾向のある上司を、部下を持たないポジションに異動させるといった手段があります。
もちろん、そう決断するまでには、パワハラの事実があるということを客観的に把握する必要があります。気に入らない上司を「パワハラ上司」と決めつけ、人事担当者や社長に告発する人もいるからです。しかし、実際にパワハラが確認されたら、部下を持たないポジションへの移動が必要です。
それだけで職場の雰囲気が一変することもありますし、もしその上司に改善の見込みがないようであれば、思い切って退職してもらう決断も必要です。一人の上司が原因で複数の社員が辞めてしまうようでは、企業全体として大きな損失になります。