『ずるい暗記術』に続き、『ずるい勉強法 エリートを出し抜くたった1つの方法』が発売、重版が決定しシリーズ6.5万部を突破した。前回は、「本を読む」行為に起きる弊害を、偏差値30の学年ビリが司法試験に一発合格できた勉強法を応用して解決できることを紹介しました。本はお金さえ出せば読むことができますが、人からの情報を得るには、「交渉術」が必要となります。『ずるい勉強法』の第3章では、人から情報を得て自分に活かす方法を紹介します。

「交渉」とは、
最高の学びを得るために必要なスキル

 本と同じく、人もまた、それぞれが成功した経験やノウハウ、スキルを持っています。

本に書かれたことはすべて「過去のこと」ですが、人が持っている情報は、現在進行形、いわば「生きて」います

 しかも現代は、情報のスピードが恐ろしく速く、日々どんどん更新されていきます。情報を知っているか知らないかで、ものごとの結果は大きく変わってきます。情報サイクルの速い社会だからこそ、人よりも一歩先に行くためには、現在進行形の情報、まだ世に出ていない情報を手に入れる必要があります

 それらの情報を、成功のノウハウやスキルを持っている人から直接手に入れることができれば、ダイレクトに自分の成功に結びつけることができるのです。

 しかし、どんなにすごい人と知り合っても、人脈を持っていても、その成功の秘訣を聞き出せなかったらまったく意味がありません。

 本なら、お金を出せば誰でも買うことができます。読めば、そこにノウハウも用意されています。ですが、人からの情報は、こちらから取りに行かなくては手に入りません。しかも、成功者ほど、成功の秘訣はなかなか教えてくれないものです。

 そこで、効果を発揮するのが、弁護士の持つ「交渉」のスキルです。

 交渉とは、クライアントにとって有利な情報を相手方から聞き出し、「勝つ」ことです。私は弁護士になって6年目になるのですが、これまで数多くの交渉を経験し、情報を引き出す技を磨いてきました。

 弁護士にとって最大の武器ともいえるこの「交渉術」は、勉強法にも応用できます

 つまり、成功者から有益な情報を聞き出し、そのノウハウを「盗む」のです。

「盗む」というと聞こえは悪いかもしれませんが、要は情報を引き出し、「真似る」ことです。相手からいかに「使える」情報を引き出せるかが、成功するためのすべてのカギを握ると言っても過言ではありません。

 世界で活躍するリーダーたちも、実はその道のプロは一握りです。みな、周りのブレーンたちからの情報を得て成功していると言われています。

 私自身も、法律事務所を立ち上げて3年目ながら社会で活躍させていただけているのは、これまでいろいろな人から情報を得て、それを活かすことに長けていたからではないかと思っています。

「交渉」のスキルを使って、人から「生きた」情報を手に入れることができれば、そこにあるたくさんの成功の「種」を自分のものにできます。それを発芽させ、成長させるのです。それが、実生活で使える「生きた」能力となります。

 テストの成績がいい人が、必ずしも実生活で成功しているとは限りません。頭のいい人ほど、逆にコミュニケーションは苦手なものです。真面目に勉強しかしてこなかった弊害でもあります。

 TOEICの点数がいくらよくても、話せなければ意味がありません。点数がたとえ悪くても、英語でコミュニケーションをとれる人物のほうが重宝されるのもわかります。

交渉とはコミュニケーションの最たるもの。エリートを出し抜くために、凡人が最も必要とするスキルです。

「交渉」で「生きた」情報を得て、それを駆使することこそ、エリートを出し抜く一発逆転の方法です。