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勢いに乗る「Airbnb」の拡大戦略

末岡洋子
【第137回】 2016年12月1日
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AirbnbのCEO、ブライアン・チェスキー氏、35歳(写真提供:Airbnb)

民泊(ホーム/ルームシェアリング)のAirbnbが宿泊からだけのサービスから事業を拡大する。11月中旬、米ロザンゼルスで開催した年次イベント「Airbnb Open」で同社は「過去最大の発表」として新しいサービス「トリップ」を発表、ルームシェアから旅行をトータルで手配できるプラットフォームへの成長を図る。

現地の“通”による
おすすめスポット紹介

 11月17日、ロサンゼルスダウンタウンの「オルフェウムシアター」。満場の観客を前にステージに立ったAirbnbの共同創業者兼CEOのブライアン・チェスキー(Brian Chesky)氏は、自信に満ちた表情で「トリップ(Trips)」を発表した。滞在に加えて、現地で行う活動や訪問する場所などをAirbnbで予約したり、知ることができるプラットフォームだ。

 トリップはいくつかのメニューで構成される。旅行者にさまざまな体験を提供する「体験」では、フード、ワイン、アート、スポーツ、セルフヘルプ、音楽など多様なカテゴリを揃える。たとえばパリでは、ファッション体験として職人のアトリエを訪ね帽子や香水を作る3日間の体験があるし、東京なら、コスプレやメイドカフェを体験できるパッケージなどが並んでいる。

 これらのホストは宿泊のホストとは別で、その地ならではの体験をプロデュースしたり専門知識のある人となる。ロサンゼルスで地元の人しか知らない新しいアジア料理を3日に分けて体験できる「Expert Tastes」のホストは、ヒラリー・イートン(Hillary Eaton)さん、LA Weeklyなどにレストラン情報の記事を書くフードジャーナリストだ。価格は、食事やワインも付いて320ドル、このうち20%をコミッションとしてAirbnbに払う。

 現地の“通”によるおすすめスポット情報を提供する「スポット」も用意する。例えば、ロサンジェルスでは"ヴィンテージの王様"という異名を持つ通がヴィンテージファッションが買えるお店を紹介したり、インドアサイクリングスタジオのインストラクターがおすすめのハイキングコースを伝授する、といったスポットがあるようだ。レストランではレストラン予約のResyと提携し、Airbnbでレストラン予約ができるようになる。

 「旅行に行くとなると色々と下調べしなければならないが、この問題を解決する」とAirbnbのチェスキー氏はいう。体験はまず東京、ロサンジェルス、ニューヨーク、パリなど12都市でスタート、500種類ほどを揃えた。今後1年で50都市に拡大する計画だ。通によるおすすめは6都市で100以上でスタート、こちらも拡大していく。

 トリップはこれだけではない。Airbnbのプレスリリースには「フライト」というメニューも並ぶ。フライトに関するものと思われるが、これについては現時点では詳細は明かしていない。2018年ごろまでに長期的に取り組んでいく、とのことだ。

 Airbnbはまた、メディア企業Hearstとも提携し、都市ガイドマガジン「Airbnb Magazine」を創刊した。イベントでは、「Cosmopolitan」などの編集者を歴任してきたジョアンナ・コールズ(Joanna Coles)氏が登場し、自分のAirbnbゲスト体験を語りながら、ホスト向け、よく旅行をする人向けに「体験を変えるような雑誌にしたい」と雑誌の狙いを語った。まずは開催地のロサンゼルス版を出版、世界の都市に拡大していく。

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