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中国・李克強氏の「内通者非難」発言がネット流出した背景

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2016年12月8日
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李克強総理が国務院の会議の中で、内通者が資金の不正流出を引き起こしたと激しく非難したとのニュースがネットを駆け巡った  Photo:Reuters/Aflo

11月19日、李克強総理が会議で内通者がいると激しく非難したという評論がネットメディアに掲載され、一時猛烈な勢いでネット上に拡散した。中国では党の新聞やテレビニュースでは、大物指導者の言葉がそのまま報道されることはない。この論がネットに流れた背景を探る。

 さる11月19日の夜6時近く、『鳳凰網(フェニックスネット)』に「李克強が会議で激しく非難 内通者が抜け道をつくり、資金の不正流失を引き起こした」という評論が掲載され、一時猛烈な勢いでネット上に拡散した。

 その記事の報道によれば「10月29日、国務院で特定テーマ会議が開かれ、その会議の席上、李克強総理が、『二つの顔を持つ(裏表のある)人物』が故意に抜け道をつくり、資金の不正流失を引き起こした。その犯罪者はこの会議室内にいる可能性もある、と激しく非難した」という。

 総理が開いた会議については、中央テレビの7時のニュース『新聞聯播』で当日のうちに必ず何らかの言及がなされる。そこで、ことの真偽を確かめるべく10月29日及び30日の『新聞聯播』を調べたメディアがあったが、「この2日間、番組で国務院の特定テーマ会議に関するニュースはなかった」という。この2日間には総理に関するニュース自体、まったく放送されていなかった。

 ただ、そのメディアによると『新聞聯播』では、10月28日に李総理が国務院党グループ会議を開いたというニュースがあった。その議題は「党の第18期中央委員会第6回全体会議(6中全会)精神を深く学んで徹底させ、国務院の全面的かつ厳しい党の管理活動をさらに進める」というものであったという。

 この会議で指摘されたのは、「党の政治規律と政治的品行を厳守し、党の規約を根本として遵守し、党の組織生活の各項目の制度を堅持し、党内の政治生活の政治性、時代性、原則性、戦闘性を増強する必要がある。権力運営の制約と監督システムを完全なものとし、腐敗防止能力やリスク回避能力を増強し、固い信念や厳しくて公正な規律、勤勉で廉潔な公務員チームを育てる必要がある」ということであった。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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