第6回でもお伝えしたコミュニケーションは、凡人がエリートを出し抜くためにも重要です。今回は、「わからない」ことで損をしないための凡人のための技術を、『ずるい勉強法 エリートを出し抜くたった1つの方法』から紹介いたします。

今日から使えるハッタリ交渉術

 私の大好きな漫画『カメレオン』の主人公・矢沢栄作(ヤザワくん)は、いじめられっ子ながらヤンキーの頂点に立ちます。ケンカの弱いヤザワくんが、なぜ頂点に立てたかというと、運もあるにはあるのですが、主に「ハッタリ」のおかげなのです。

 ハッタリと聞くと、たいていの人は「よくない」と、否定的な意見を言います。ですが、このヤザワくんのように、ラクして結果を出すためにはハッタリも必要なのです。

 会合で、政治や経済など難しい話題が出たとき、素直に「わからない」と言ってしまうと、門前払いされるというケースが多々あります。彼らは話のわかる人同士で話をしたいため、無知な人間は相手にしたくないのです。しかし、そのままでは永遠にカヤの外になってしまいます。近づいて情報を得るためには、ハッタリが役に立ちます。

私流のハッタリのポイントは、「わからない」と絶対に言わないことです。

わからなくても、わかっているように相づちを打っておくのです。

 そして、話しすぎないことです。尊敬する大先輩たちが集まっていたりすると、つい話したくなってしまうかもしれませんが、知らない分野は必ずボロが出ます。知ったかぶりもご法度(はっと)です。話したい欲求を極力抑え、タイミングがくるまでしゃべらないこと。相手の話を聞くことに重点を置きましょう。

 話を聞いていると、逆に意見を求められることがあります。内心冷や汗をかいていても、ここは何食わぬ顔で乗り切りましょう。

 必殺技は、「ほかの人の意見を引用する」ことです。

「○○さんは、こう言ってましたよね」と、自分の意見を言わずにほかの人の意見を引き合いに出すのです。もし、まだ誰も意見を言っていなかったら、「○○さんは、どう思いますか?」と、ほかの人に話を振ります。もしくは、少々強引かもしれませんが、話題を自分のテリトリーのほうに持ってきてしまいます。これぞ、ハッタリです。

『カメレオン』のヤザワくんも、ケンカをするときはほかの誰かを使っています。

「ずるい」と思われるかもしれませんが、これも私の「ずるい勉強法」の根幹である「ラクして結果を出す」につながります。

無知も逆手にとれば、カンフル剤になるのです。

 年上の方々が多い会合に出ると、話がちんぷんかんぷんという経験は、私にもあります。でも、そこで「知りません」と言うと、話の腰を折ってしまいますし、今後呼んでもらえなくなる可能性もあります。

 そこで私は、相づちを打ちながら、なるべく目立たないようにしています。それで、とりあえず「わかっている」というかたちはつくれます。次につながることが大事なのですから、あとは、次回までに勉強しておけばいいのです。

 大勢の人がいる場では、有効な交渉術ですが、一対一では通用しないこともあります。

 そのときは、正直に「わからない」と伝え、無知を認めて素直に教えを請うほうが賢明です。