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消費者のココロのスイッチを押すしかけ

ネットの登場でメディア状況は大きく変質!
「消費者の聞きたいこと」から発想しなければ
コミュニケーションは成立しない

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]
【第2回】 2011年2月15日
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インターネット以前は
対等でなかった企業と消費者

 マーケティングにおいては、コミュニケーションという言葉がよく使われます。

 この“コミュニケーション”の意味をインターネット上のウィキペディアで調べると、「複数の人間や動物などが、感情、意思、情報などを、受け取りあうこと、あるいは伝えあうこと」となっています。この文脈から読み取ると、コミュニケーションとは情報の送り手と受け手が相互にメッセージを交換しあうインタラクティブで双方向の概念であるといえます。また、情報の送り手と受け手が対等で並列な関係性にあることが前提だとも考えられます。

 しかし、インターネットが登場する以前は企業と消費者の情報環境は決して対等とはいえませんでした。

 何か興味のある事について自分で情報を集めようとしても、書籍や文献を調べるかその分野に詳しい人に直接話を聞くなど情報入手の方法は限られていて、そんな中で新聞、雑誌、テレビなどのマスメディアは非常に貴重な情報源でした。

 私たちの共通の話題の多くはテレビ等のマスメディアから得たもので、そんなマスメディアを通じて企業から届けられる広告も、消費者にとって重要な情報であり、学校や会社での「テレビコマーシャル」に関する会話は、みんなで盛り上がれる大事な共通のトピックスでした。

情報の取捨選択が
一気にシビアになった

 情報入手の手段が限定的だった時代は、消費者はいつも新しい情報を求めていました。たとえ企業が自らの製品を認知させることが目的であったとしても、広告というクオリティーの高い情報は消費者にとって、とても魅力的なコンテンツであったに違いありません。

 そんな情報環境下で、企業はメディアとうまく協力することで、消費者へ届ける情報を自らコントロールすることを比較的容易に行うことができました。つまり限られた情報流通量の中では、自社の製品やサービスに関する情報を送り手である企業発のメッセージとして、情報に飢えた消費者に“伝えること”でも十分に“伝わり”、買いたいという気持ちにさせられたということです。

 しかし、今ではインターネット上に、この10年間で500倍以上に増えた膨大な量の情報が常時流通し、以前とは異なり消費者自身が、ウェブというプラットフォームにある検索エンジンという便利なツールを持ち、マスメディアや企業と同等の情報の量と質を自分で簡単に確保できるようになりました。その上、ソーシャルメディアを通じて友人たちが常に様々な新しい情報をフィードしてくれます。

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藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社を経て、92年、フィンランド人の社長と二人でザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を設立。素材メーカーの立場から キシリトール・ブームを仕掛け、キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。07年、株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』『99.9%成功するしかけ』 『漂流する広告・メディア』講演活動も行っている。integrateGroupウェブサイト:http://www.itgr.co.jp/

 


消費者のココロのスイッチを押すしかけ

インターネットの影響などで情報があふれ、“広告が届きにくい”時代になったと言われます。そこでマーケティング担当者はどう考え、何をすべきなのか。どんな方法なら消費者とのコミュニケーションが成立するのか。「次世代IMC」を掲げる注目のマーケティング企業CEOがその極意を伝授します。

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