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イノベーション的発想を磨く

「自分はどうせダメだ」というマイナス思考が成功を阻む

~『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』(エディー・ジョーンズ著)を読む

情報工場
【第33回】 2016年12月24日
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ラグビー日本代表チームを強くした「ジャパン・ウェイ」とは何か

 読者諸兄は初めて自転車に乗ることができた時を覚えているだろうか。私の場合は5歳の頃だった。後輪の両側につけてあった補助輪を外して、近所の公園で父親がコーチになって練習した。最初は父に荷台を手で支えてもらい、「絶対手を離しちゃダメだよ」と言いながら、恐る恐る漕いでいった。

 慣れてくるとだんだんペダルを踏む足に力が入り、スピードも上がってくる。そうして気持ちよく走っている時、ふと父が、「もう手を離してるんだけど」と言った。「え、そんなの無理だ」と思った瞬間に転んでしまった。

 父には「できないと思うからできなくなるんだよ」と笑われた。その後「さっきはできたのだから」と自分に言いきかせながら繰り返し練習し、ようやく支えられなくても一人で乗れるようになった。何事も、できないと思いながらやっているうちは、決してできるようにはならないものなのだろう。

 元ラグビー日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏も、著書である本書『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』で「自分はどうせダメだというマイナス思考が、成功を阻む」と言っている。

『ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング』
エディー・ジョーンズ著
講談社
210p 1400円(税別)

 ジョーンズ氏は、オーストラリア人の父と日系アメリカ人の母との間に、オーストラリア、タスマニア州に生まれた。1990年代初頭までニューサウスウェールズ州のラグビー代表選手として活躍、引退後はコーチに転身する。2003年オーストラリア代表監督としてW杯準優勝、2007年南アフリカ代表チームのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝といった輝かしい実績をもつ。

 2009年には日本のトップリーグ、サントリーサンゴリアスのゼネラルマネージャーに就任。2010年から監督も兼任し、日本選手権で優勝。2012年に日本代表ヘッドコーチに就任する。2015年のW杯で強豪南アフリカ代表に歴史的な一勝を上げ、ラグビーファンのみならず日本中の注目を集めた。現在はインドランド代表監督を務めている。

 ジョーンズ氏は、日本代表ヘッドコーチ就任当初を振り返り、日本人選手たちが「自分たちは弱い」という強固な思い込みにとらわれていたことを明かす。2015年W杯での彼らの活躍ぶりを目撃した人には、選手たちがそんなマイナス思考をもっていたことなど、とうてい信じられないことだろう。すべての選手が自分たちのラグビーを楽しむかのように、のびのびとプレーをしていたからだ。

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浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


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