経営×総務
社長!事件です イザという時に思考停止しないための「危機管理」鉄則集
【第21回】 2011年3月2日
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小川真人 [ACEコンサルティング株式会社 代表],白井邦芳 [ACEコンサルティング株式会社 エグゼクティブ・アドバイザー]

それはフェイスブックから始まった――
過剰な社内反応が火に油
ネット上で形成された民意が
一大脅威となって企業を襲う!!

それはフェイスブックから始まった!

 上場企業の食品会社Cに勤めるAは、最近話題のフェイスブックのヘビーユーザーである。フェイスブックは他のSNSと違い、本名を登録することが前提となっているが、これまでAは趣味の骨董を話題として、色々な人々と交流を深めてきた。

 その中には学生、会社員、主婦、弁護士からタクシー運転手まで多くの仲間がいて、お互いの知識や骨董品についてSNSを通じて紹介しあっていた。知らないうちに仲間が増え、その数は300人を超えていた。

 今年に入り、Aの勤める食品会社Cは、継続する経済的不況と海外企業の進出のあおりを受けて、急激に業績を悪化させていた。早期退職などを会社が検討し始めており、Aにも肩たたきがはじまった。まさか30代の自分にリストラの話がくるとは寝耳に水だった。

 これまでまじめに仕事に打ち込んできたつもりが、この仕打ちはどうしたことか? 自分よりも先にたたかれるべき問題児はいくらでもいるはずだ。そう思うとこらえきれない怒りにも似た気持ちが、ふつふつと湧いてきた。

 勢いにまかせて社内の残業問題や職場環境の危機的状況をフェイスブックに書き込んだ。それを閲覧した同僚で友人でもあるXが、今度はその内容についてツイッターでつぶやいたところ、意外にも話題となり、あちこちでつぶやかれることになった。これが予想もつかないネットにおける風評連鎖の始まりとなってしまう。

過剰な社内対応がさらに大きな火種に!

 食品会社Cでは人事部スタッフが、採用予定者や従業員の登録したフェイスブックやツイッター等を常日頃から照会し、当人の未熟な面などを分析して採用を見合わせたり、不正行動がないかどうかについて素行の監視を行っている。

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小川真人(おがわまひと) [ACEコンサルティング株式会社 代表]

公認会計士、公認不正検査士、日本法科学技術学会正会員。慶応義塾大学商学部卒業後、1986年、ピートマーウィックミッチェル会計士事務所(現在のKPMGあずさ監査法人)に入所し、会計監査・リスクマネージメント業務に幅広く従事。2003年より2008年まで、(株)KPMG FASにて日本における不正調査サービスの責任者(パートナー)として、不正会計調査、経営者不正調査、従業員不正調査、個人情報流出事件調査など、多様な不正調査やリスクマネージメント業務を提供。2008年4月より、ACEコンサルティングを設立して独立。

白井邦芳(しらい くによし) [ACEコンサルティング株式会社 エグゼクティブ・アドバイザー]

AIU保険会社及びAIGグループ在籍時に数度の米国研修・滞在を経て、企業の危機・不祥事・再生に関するコンサルティングに多数関わる。2350事例にのぼる着手案件数は業界屈指。2009年から現職。リスクマネジメント協会評議員、日本法科学技術学会正会員、経営戦略研究所外部専門委員、著書に「ケーススタディ 企業の危機管理コンサルティング」(中央経済社)等がある。


社長!事件です イザという時に思考停止しないための「危機管理」鉄則集

海外で発生するテロや暴動そして天災、果ては脅迫から社内の権力闘争の暴露まで。現代の企業はまさにリスク取り囲まれて活動している。ことは生命にかかわることが多いにもかかわらず、依然として、日本企業はこの種のリスクには鈍感。イザというときに、じたばたしないためには、準備こそがすべて。具体的な事例を基に危機管理の鉄則を公開する。

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