ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「トランプvsトヨタ」で日本車のメキシコ生産はどうなるか

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第46回】 2017年1月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
豊田章男・トヨタ自動車社長はデトロイトショーにおける新型カムリ発表の場で「今後、5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資する」ことを表明した Photo:REUTERS/AFLO

トランプ流「恫喝戦術」に翻弄される
自動車メーカー各社は今後の動向に注視

 2017年の幕開けとともに、米国のラスベガスで5日から開催された世界最大の家電見本市(CES)と続く9日から開催のデトロイトの北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)では、「自動車」が話題の中心だった。

 いまやCESは、家電ショーというよりも自動車が主役となってきており、今回もAI(人工知能)が搭載されたAI車が存在感を強めた。また、デトロイトモーターショーも各メーカーの新型車が披露され、米国復活の象徴的なモーターショーとなっている。

 だが、それ以上に日本と世界を困惑させたのが、今月20日に米大統領に就任する予定のドナルド・トランプ氏のツイッター投稿だった。大統領選の頃からSNSを活用する異色の次期米大統領は、今年に入ってからも就任前の自由な立場からブラフ(はったり)とも思える投稿を頻発し、ついに日本のトヨタを名指しでこう批判した。

 「トヨタ自動車はメキシコのバハ・カリフォルニア州に新工場を建て、米国向けにカローラを生産すると言っている。あり得ない!米国に工場を建てろ。さもなければ高い国境税を払え」

 これが5日にツイッターから発したトランプ氏自身の全文である。

 トヨタはこれに対し、デトロイトショーが開幕した9日、現地での新型『カムリ』発表の席上で、豊田章男社長が「今後、5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資する」ことを表明した。同時にトヨタはこれまで米国で60年間に渡り220億ドルを投資してきており、米国でクルマの開発・生産・販売に携わる約13万6000名のトヨタのメンバーがいることも強調した。

 一方でメキシコ新工場は予定通りとする方針だ。名指しで批判したトランプ氏にトヨタの米国投資、雇用貢献をトップ自らデトロイトで発言したことの効果は大きいと言えるのではないか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

「モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫」

⇒バックナンバー一覧