東北地方太平洋沖地震は、まだ余震が続いており、現在進行形である。われわれはこうした大災害からどのようにして身を守ればよいのか。連載「社長!事件です」の執筆者で、危機管理の専門家であるACEコンサルティングの白井邦芳エグゼクティブ・アドバイザーが、対応策を示す。
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、震源のメカニズムとその規模から、北米プレートと太平洋プレートの境界で発生したプレート境界型地震と考えられる。このプレート境界型地震の特徴は、プレートに沿って震央が移動し、本震に近い大規模な余震が多数発生することにある。
本震後も震度5以上の余震が多数確認され、福島、茨城、栃木などその震央は徐々に南下しているかのようにも見える。地震の専門家の中には、ここ数日中にマグニチュード7以上の余震が発生する確率は、70%であると指摘する者もあり、またその震央についても首都圏を巻き込む可能性について示唆する者もいる。
すでにフランス大使館は13日、首都圏に在住するフランス人に対して、関東から移動するよう勧告を出すなど、その危機感は増大するばかりだ。以下はあくまで最低限の危機管理対策だが、参考にして頂ければ幸いである。
1.オフィス内で余震に巻き込まれた場合の対応
・あわてずに揺れの状況を確認し、落下物の可能性のない場所や支えの無い棚、ロッカーや窓際からすぐに離れて、身体を固定できる柱などにつかまる。
・窓際近くではガラスが割れてケガをするばかりか、投げ出されて落下する可能性があり、また什器・備品の近くではそれらが倒れて、下敷きとなることもあるので注意が必要である。
・動くことができたらかばん等を頭にかかげて、落下してくるガラスなどを避けながら、オフィスの扉を解放し、建物が破断したり基礎が沈下した場合でも、鉄の扉などが開けられなくなることを防ぐ。
・ビル内の館内放送や企業の防災担当者の指示に従い、避難通路や非常階段を通じて外部へ避難する。この際、高速道路・歩道橋・橋などの下に隠れてはいけない。これらは過去に発生した大地震でも破損・破断がひどく、倒壊するおそれがあり、災害事故に巻き込まれる可能性がある。
・ビルの近くでは、降ってくるガラスで負傷する可能性があるので、揺れのある状況では建物近くを歩かないよう留意する。常にヘルメットがあればかぶり、ない場合でもかばんなどを頭の上にかかげて落下物が当たった場合でもクッションになるよう気をつける。