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日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?
【第1回】 2017年2月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
村上尚己

「トランプ相場」は“教科書どおりの現象”だ
日本の経済メディアが流す「過剰な悲観論」にダマされるな!!

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トランプ新大統領の誕生は、日本経済にどんな影響を与えるか?連日のメディア報道は悲観ムード一色だが、果たしてそれは本当だろうか?だとすれば、トランプ氏の当選以来、マーケットに「追い風」が吹いているのはなぜなのか?あるいは、日本の経済メディアだけが、歪んだ情報を流しているのだとしたら……?

「トランプ相場」の到来を的中させた外資系金融マーケット・ストラテジストの村上尚己氏は、日本の大新聞・テレビが垂れ流す「通説」を鵜呑みにすることの危険性を訴える。これから日本経済で起こることを分析・考察した注目の最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。

たった1日のトランプショック

2016年11月9日、私が勤務する外資系運用会社の東京オフィスは、奇妙な緊張感に包まれていた。マーケットの急激な変動を受け、午後には緊急ミーティングが召集されたが、参加者のほとんどは、会議中にも手元のPCでマーケットの慌ただしい値動きをチラチラと気にしている。もちろん私もその一人だった。

前日まで1ドル105円台で推移していたドル円相場では、一気に101円台にまで円高が進んだ。ここまで大きく為替が動いたのは、じつに約5ヵ月ぶり、経済的な動揺が全世界に広がったイギリスのEU離脱決定、いわゆるBrexitのとき以来だ。

ドル円相場(東京時間11/9-11/10)

日経平均株価に至っては、1日だけで1万7000円台→1万6000円台へと1000円近い下げ幅を見せた。日本だけではない。NYダウ平均株価や欧米株式の先物価格も、総じて前日比約5%安の水準で取引されていた。

いったい、何が起きていたのか?

日本株式市場(東京時間11/9-11/10)

言うまでもなく、東京時間11月9日は、米国大統領選挙の開票日である。

 「民主党ヒラリー・クリントン候補が優勢」という事前の下馬評を大きく覆すかたちで、共和党ドナルド・トランプ氏の快進撃を伝える速報が、次々とメディアを駆け抜けていった。接戦が予測されていた州でのトランプ候補勝利が報じられるたびに、為替相場ではドル安・円高が進んでいき、東京時間の11時頃に米大手メディアが「トランプ大統領誕生の可能性あり!!」と報じると、マーケットの動きはますます加速していった。

翌日、日本のテレビニュースや大手新聞には、トランプショックの到来を煽る言葉が躍り、これから経済的な混乱がはじまるかのような論調が目立っていた。以前から「万が一にでもトランプ氏が大統領になろうものなら、とんでもない円高がやってくる!」と予測していた国内のアナリストやエコノミストたちがニュース番組や新聞に登場し、訳知り顔でコメントしていた。

しかしご存知のとおり、その直後に起きたのは、これとは真逆のことである。

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村上尚己(むらかみ・なおき)

アライアンス・バーンスタイン株式会社 マーケット・ストラテジスト
1971年生まれ、仙台市で育つ。1994年、東京大学経済学部を卒業後、第一生命保険に入社。その後、日本経済研究センターに出向し、エコノミストとしてのキャリアを歩みはじめる。
第一生命経済研究所、BNPパリバ証券を経て、2003年よりゴールドマン・サックス証券シニア・エコノミスト。2008年よりマネックス証券チーフ・エコノミストとして活躍したのち、2014年より現職。独自の計量モデルを駆使した経済予測分析に基づき、投資家の視点で財政金融政策・金融市場の分析を行っている。
著書に『日本人はなぜ貧乏になったか?』(KADOKAWA)、『「円安大転換」後の日本経済』(光文社新書)などがあるほか、共著に『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(原田泰・片岡剛士・吉松崇[編著]、中央経済社)がある。また、東洋経済オンラインにて「インフレが日本を救う」を連載中。


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