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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

在日中国人社会は日本とともにある
続々と届く震災復興への決意表明

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第47回】 2011年4月7日
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 東日本大地震で福島原発も津波に襲われ、世界を震撼させた放射能漏れ事故を引き起こし、日本は今、戦後最も厳しい局面にある。

 こうしたなか、日本に居住する外国人コミュニティとして80万人と最大の規模を誇る在日中国人社会の動向も注目されている。

 まず中国政府サイドの対応を見ると、日本に支援物資を送る一方で、救援隊も緊急派遣した。同時に、震災地にいる中国人を素早く本国に引き揚げた。

 その一方で、日本国民とともに震災地の復旧・復興に取り組もうと日本に残り、いつも通り職場を守っている中国人が大半を占めた。筆者もメンバーである日本華人教授会議が3月21日、「日本社会と共に手を携えこの自然災害に打ち勝とう」と在日華人、華僑、留学生への呼びかけ文を発表し、「今回の大地震は、日本の歴史上最大級の自然災害であり、日本で生活するすべての人々にとって未曾有の試練とも言えます」と捉えたうえ、「日本で生活している我々中国人にとって、日本国民の困難や苦痛を分かち合うのは当然のことではないでしょうか」と態度を表明し、さらに次のようにすべての在日華人華僑に向け呼びかけた。

 「仕事、勉学、生活の場において、周囲の日本国民と共に自らのなすべき事に力を尽くし」、「同じ地球人であるという共通認識の下、共に日本の復興に惜しみない声援と支援を送り」、「今こそ日本社会における救済活動の輪に加わり、力を尽くすべき時です」

 この呼びかけは日本に長年暮らしている多くの中国人の共通の思いだと思う。私のところに在日中国人から送られてきたメールからも、こうした共通の思いを読みとれる。その声の一部を時間順(一応、3月20日までとする)に拾ってみよう。

 「私たち協会の会員の多くが日本に暮らしている。行動を起こして救援活動と復旧・復興活動に参加するのは当然の選択だ」(中日ボランティア協会、3月13日)

 「一円でも、一キロワット時の電気でも節約して、被災地の再建に回しましょう。ここは私たちの第二の故郷であり、夫と子供の祖国です。今のところ、被災地救援に行けませんが、やれることからやりましょう。その気持ちと心があればいいです」(女性、3月14日)

 「時間の推移に従って,日本はまさに戦後最大の危機に面していることを実感しつつあります。そして,この未曾有の危機の前に、……自分の家族・同僚・学生そして日本国民とともに、この困難な時期を一緒に乗り越えなければならないと思っています。これはわれわれの責任と責務でもあると認識しています」(千葉の某大学教授、3月15日)

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


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地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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