日本でもザッポスおよびトニー・シェイのファンを増殖させている書籍『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』。日本のさまざまな層のザッポス伝説ファンの情熱を紹介し、同書を様々な視点から読み解きます。今回は、アジアに広く展開する日本のコンビニエンス・ストアの雄、ファミリーマートの「らしさ推進活動」にフォーカス。ストアスタッフだけでも15万人のファミリーマートと3000人のザッポスとでは規模も業態もずいぶん違うように思えますが、その共通点とは何か。同社の試みを推進する岩崎氏に熱く語っていただきました。
株式会社ファミリーマート総合企画部マーケティング室長
「ザッポスがやっていることを、アメリカの話だから、ベンチャーだから、と特別視せずに、参考にして取り組めばよいと思います。『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』に書かれた驚くべき経営は、企業にとって普遍的な方向性と捉えるべきです。多くの企業で、やればできることだと思います。我々の取り組みもかつて、大学の先生に意見を求めると『フランチャイズ・ビジネスでひとつの理念を共有するのは無理だ』と諌められたりもしましたが、ここまでやって来ました」
今回は、「ファミリーマートらしさ推進活動」のリーダーとして理念の浸透と企業文化づくりに取り組む株式会社ファミリーマート総合企画部マーケティング室長・岩崎浩氏にお話をうかがいました。理解浸透には、様々な苦労もあるこの活動も、日経BP社の『ブランド・ジャパン』で、「顧客を大切にしている」「親しみやすさ」「従業員を大切にしている」の各項目がCVS部門で一位を獲得するなど、有形無形の成果が生まれています。
「ファミリーマートのような理念の実現は他に参考例も少なく、自分の中でも半信半疑になりかねないところがあります。『ザッポス伝説』には、私たちがやってきたことが間違ってなかったと、元気づけられました。様々な国や地域でファミリーマート“らしさ”を広めているファシリテーターたちを勇気づけてくれます。こういう本が出てよかった」
岩崎氏にとって、『ザッポス伝説』は同社が推進する活動にいっそう自信を深め、気持ちが後押しされる本となっているとのこと。