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一流の育て方
【第43回】 2017年3月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
ミセス・パンプキン

その一言が、子供を「バカ」にする!
親のバカさ加減は、子供に遺伝!?

将来、子供に感謝される「新しい育て方」とはどのようなものか?約200人の「リーダーシップ溢れる学生」および、各界で活躍するビジネスリーダーたちが「親に最も感謝している教育方針」を徹底的に調査した『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』
本連載では、著者であるミセス・パンプキン氏が、本書や数々の講演会で伝えている「自己肯定感が高く、主体的に自己実現できる人の育て方」のエッセンスを公開していく。

子どもは親の日常会話に大きな影響を受ける

 いよいよ入学式、新学期、入社式の季節ですが、『一流の育て方』はそんな子供をお持ちの親御さんや、「主体性と自己肯定感を高めたいビジネスパーソン」に、数多く手に取っていただいています。今回は、「日ごろの親の日常会話」が、いかに子供の知的水準に影響を与えるかを論じたいと思います。

『一流の育て方』は、様々な業界で活躍されるビジネスリーダーや、主体性あふれる大学生たちに「幼少期に受けた家庭教育を振り返って、親に最も感謝していること」を広範にインタビューして書かれたものです。

 その中で、多くの人が単なる受験勉強ではなく、親の会話レベルが高かったことに感謝しており、また親の偏見が子供に伝染することの危険さを指摘していることは、私たちに大切な教訓を与えてくれるのではないでしょうか。

(以下『一流の育て方』より、アンケート抜粋)

●親の会話の知的レベルが子どもの人間性を決定する
 両親ともに知的レベルが高く、家庭での会話の多くが、社会や文化や芸術についてでした。私の仕事観は親の会話に影響を受けました。努力はみんなする、才能があってもその中で生き残れるのはほんの一部の人だけだ、ということを父はいつも言っていました。あと、口癖のように言っていたのが、速くて最高の仕事をしなければプロじゃない、ということです。勉強に関して何か言われたことはありません。(東京大学大学院医学系研究科Mさん)
●親の偏見は子どもに伝染する
 親の“偏見”を偏見と捉えられない幼少期に、多くの偏見を吹き込まれました。たとえば、「学校の委員会活動は勉強に支障が出るのでやるべきではない」「私立高校は公立高校に落ちた子が行くところだ」(私の地元は田舎なのでいまだに公立信仰が根強い)などです。なにげない親の言葉で、子どもの社会へのスタンスが形成されることもあることを自覚して接してほしいです。(早稲田大学大学院会計研究科Aさん)

子どもの前では、冗談でも偏見を口にしない
──いい話も悪口も、子どもはそのまま吸収する

 子どもの思想や価値観は、よくも悪くも親の言動の影響を受けます。
 善悪の基準がまだしっかりしていないころの親の会話は、子どもには意識への「刷り込み」になるのです。たとえそれが「小さな道徳違反」でも、子どもの心には深く染み込んでしまいます。

 私の長男が小学2年のとき、友だちの家を訪ねた際、その父親から「お前なんか、うちの子と遊ぶな。帰れ」と言われたということがありました。その父親がどのような理由でそれを言ったのかは不明でしたが、担任の先生の話によりますと、おそらく民族差別だろうということでした。

 その時点では子どもたちは無邪気に遊ぶ仲でしたが、そのうち子どもまで親の差別観や偏見が刷り込まれることが多いので、先生もそれが心配だということでした。

 小さい子どもには「本音と建て前」のような考え方もありません。親が誇張して言ったような悪口も、そのまま受け取ってしまいます。

 長男が幼稚園のころ、先生が保護者たちに「子どもには『ここだけの話』をしないようにしてください。子どもたちは、『ここだけの話』という言葉まで含めて全部、幼稚園で私に話してくれていますよ」と注意していたものです。

 長男が小学2年のときのその担任の先生によりますと、事情は小学生でもそれほどは変わらないようです。ある小学4年生の子どもの母親が、家で「今の担任にはえこひいきがある」とか「上から目線で気に入らない」など、先生のことを言いたい放題に言っていたらしいのですが、その子はそれを全部そのまま学校で先生に話していたということです。

 親にとっては口止めする必要も感じないほど当然の「内輪話」でも、子どもにとっては、普通の世間話と変わらないのです。大人は噂話や陰口を言うのが普通になっているかもしれませんが、子どもは純粋だということを忘れてはいけません。そんな時期に、親が偏見を口にしたり、無神経な発言をしていたら、子どもの価値観に大きな影響を与えるのは当然です。

狭い了見や偏見は、小さなコミュニティでしか通用しません。そうした価値観は、子どもが広い世界へ羽ばたいていくほど足枷になるものです。そんなハンディを子どもに負わせるのは、親の願いではないはずです。

 アンケートでの学生さんたちの回答を見てもそうですが、子どもにとって一番身近にいる親の会話が知的だと、子どもが受けるよい影響は大きいものです。

 逆に親の言動が偏見に満ちたものだと、それが偏見だと自分で気づくまでに、途方もなく長い時間がかかってしまうことになります。

 人の能力は親からの遺伝要素が大きな影響を及ぼすともいわれていますが、後天的に家庭環境で受け継ぐ要素も、子供の知的・人格的水準に大きな影響を与えてしまうことを、肝に銘じたいと思います。

(※本原稿は『一流の育て方』から編集して掲載しています。本書の感想は、ミセス・パンプキン公式サイトまでお願いいたします)

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ミセス・パンプキン

1947年生まれ。立命館大学法学部卒業。一般的な家庭でありながら、4人の子どもはそれぞれ、プライベートエクイティ・プロフェッショナル、ニューヨーク州弁護士やロンドン勤務の公認会計士、カナダの大学教員などグローバルに活躍するプロフェッショナルに成長。東洋経済オンラインでの長期にわたる人気連載「ミセス・パンプキンの人生相談室」では膨大な数の育児相談をこなし、さまざまな家庭の問題について、洞察あふれるアドバイスを提供している。


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