ただ僕は、大学でも輝けなかったから、青木さんの気持ちが分かるんです。僕は大学ではリア充に絶対にかなわないと悟ったので、映画の専門学校に通いました。同じように青木さんは政治団体を立ち上げたのだと思います。大学の主要なスポーツサークルはリア充が寡占していて輝けないから、別のところ(外部)で輝こうとする気持ちはよくわかります。

 2014年11月、安倍政権が衆議院を解散した際、青木さんは小学校4年生のフリをして「#どうして解散するんですか?」というサイトを立ち上げ、衆院解散を痛烈に批判しました。ところが、偽装がばれて炎上。青木さんは謝罪し、責任をとってNPO法人の理事を辞任するに至りました。

 青木さんは、18歳選挙権を前に、現役慶應大学生による「若者と政治意識問題」という文脈で主要メディアに取り上げられて有頂天になってしまった。2014年のネットの新春対談で2020年について問われると「オレ26歳。議員になっているかも(笑)」と語っています。世の中の「承認」を得て、舞い上がってしまった。これまで承認を受けてきた経験に乏しいから当然ですね。だからこそ、その承認が崩れるかもしれない「反安倍」とか「反自民党」という具体的でグロテスクな欲望の開陳を「小4」というイノセントな存在に偽装させることにより隠そうとしたのでしょう。

 一方で奥田さんは、反安倍を強烈に標榜し、「反日左翼」「偏差値28」「共産党の工作員」呼ばわりされ、保守系の新聞で叩かれても、批判に耐えられる理論体系、知識体系を持っていたし、余裕も存在していました。某新聞から「若者のリーダーで時代の先駆者」という趣旨として取り上げたいという申し出を、「ちやほやされ過ぎだから」と断ったそうです。おそらく多くの人や政党から将来の立候補を打診されていたと思いますが、巧妙に明言を避け、大学院進学を選びました。奥田さんが巧妙に明言を避けるのは、事の重大さをわかっているからです。

 奥田さんの出身は九州で、中学、高校、大学と違う土地に行ったので、土着したリア充ではないですけど、一言で言うと天賦の才だと思います。彼はスクールカーストの支配層にいて、異性からもモテて、承認されることに慣れているんだと思います。一方、青木さんは残念ながら違った。その差でしょう。心理的には青木さんに同情しますが、筋が通っているのはどう考えても奥田さん。よって私は奥田さんに嫉妬しています(笑)。

「意識高い系」が
「意識高い人」を目指すには

――「意識高い系」の人が無駄にリア充を真似るのではなく、本当に「意識高い人」を目指すにはどうすればいいんでしょうか。

「意識高い系」の人は、本当の「意識高い人」ほどの基礎教養や行動力がなく、中途半端だから「系」という「意識が高い人もどき」になってしまう。

 中途半端な部分を埋めるには、無言実行ですね。自分の汚い部分、醜い嫉妬の部分を直視して、努力すれば、自然と彼らが求めてやまない「承認」がついてきて、「系」が取れるんです。手っ取り早い方法などはありません。