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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

なぜ一律のコスト削減では業績が改善しないか

上田惇生
【第49回】 2008年4月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
創造する経営者
ダイヤモンド社刊
1800円(税別)

 「企業活動は自然現象ではなく社会現象である。社会現象は正規分布しない」(『創造する経営者』)

 新規取引の3分の2は、数人の営業部員が取ってくる。生産の大半は、特定の生産ラインが賄う。イノベーションのほとんどは、数人の研究者が生み出す。問題の大半は特定の場所や特定の社員が起こす。

 つまり、業績の90%が10%の活動からもたらされるのに対し、コストの90%は業績を生まない90%の活動から発生する。したがって業績とコストとのあいだには関係がない。

 ドラッカーは、コスト管理上の問題は、そもそも活動と予算が、業績への貢献ではなく、作業量に応じて割り当てられているところから生ずるという。

 コストは業績ではなく、作業量に比例する。500万円の取引と50万円の取引とでは、作業量はあまり変わらない。10倍はかからない。このようにコストは金額ではなく作業量に比例する。

 売れない製品の設計も売れる製品の設計も、作業量は同じである。小口注文の処理は大口注文の処理と同じである。受注、生産管理、包装、保管、出荷、請求、集金のいずれも、作業量はそれほど違わない。

 無用なコストが発生してしまうのは、業績に貢献していない活動においてである。「業績をあげている事業は、もともと資金が十分でない。そこへ一律のコスト削減が行われれば業績をあげられなくなる」(『創造する経営者』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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