ここ何年もの間、総合スーパー(GMS)の衣料品売上が低迷し続けています。日本チェーンストア協会のデータで、ここ20年間の暦年売上額を見ても、ピーク時の19年前には総売上が16.8兆円強あったものが、平成28年では13.0兆円(77.3%)しかなく、衣料品売上に至っては3.5兆円弱あったものが、1.1兆円強(28.3%)まで下落。
衣料品の構成比も20.6%から6.5%までに低下し、大幅な凋落ぶりです。そもそも中小スーパーは食料品の依存度が高く、衣料品のシェアが低いのですが、GMS2強のイオンリテールやイトーヨーカドーは構成比が15~20%とそれなりにあるものの、やはり売上は減少傾向にあります。
総合スーパーの衣料品事業はなぜ低迷しているのでしょうか。再生の可能性はあるのでしょうか。
総合スーパーの
衣料品売上が低迷している理由
低迷している理由を二つの角度から見てみます。
一つは店頭売上です。お客様の売場、商品などへの評価バロメーターとなるからです。二つ目が営業利益です。これは経営者に対する評価バロメーターとなります。
まず、売上から見てみましょう。前述した通り、明らかに減少傾向にあります。最近の総合スーパーは、やたらと品番数が増えてしまっています。これは、お客様のニーズが把握できておらず、売っていくのではなく、買ってもらう「待ちの商売」になってきているからです。
よって、売場には“不要商品”が多く、「何を訴求しているのか」が判りにくい状態になってしまいます。つまり売り場が、お客様が「好みの商品」を探すのにも一苦労という状態になってしまっているのです。