2017年の欧州は「政治イヤー」とされ、ドイツやフランス、オランダなどで総選挙や大統領選挙が行われる。高失業率などを背景に政治への不満は高まっており、選挙結果を懸念する声も増えつつある。
ただ、米国などと違い、少数政党が議席を奪い合う国が多いのが欧州の特徴だ。総選挙において過半数を獲得する政党が現れず、連立形態の政権となるケースが多い。
オランダの総選挙では、イスラム系移民の排除やEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票の実施を主張している極右の自由党が第1党に躍り出る可能性が高い。
だが、他の政党が自由党との連立を拒否することで自由党以外の勢力による連立政権が樹立されそうだ。現時点ではイタリアの五つ星運動も政権奪取は難しいだろう。
ただ、フランスでは4月に行われる大統領選(初回投票)で反EUを掲げる国民戦線のル・ペン党首が1位通過するとの世論調査の結果が出続けており、フランスの政治リスクが最も高いとの声が増えてきた。
最有力候補のフィヨン元首相が公金不正受給問題で支持率を落とし、フランス10年債利回りは対ドイツ10年債利回りスプレッドを拡大させながら急上昇した。