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就活生のための最新業界・企業研究2015
みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司
【第20回】 2011年4月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
石渡嶺司 [大学ジャーナリスト]

なぜ「営業」は就活生に嫌われるのか
学生が抱く3つの誤解と現場の真実

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小田「恥ずかしながら一切なかったです。まさに「口だけ」状態でした。そういった訳で普通に就職活動をしました。志望業界は自分を鍛える意味で商社を中心に受けました。メーカーは大手を2社ほど」

 東大だとリクルーターがつくなど、有利と言われています。

小田「私の場合、特にリクルーターなどはいませんでした。三菱商事はOBがいたのでOB訪問をしたという程度ですね。で、内定したのが東証1部上場の専門商社とメーカー。そして、当初の志望通り、商社に入社しました」

 学生当時、商社に対してもっていたイメージはどのようなものでしたか?

小田「(1)「世界中を飛び回る」、(2)「起業する人も多い」、(3)「多様な商材を扱っているので、さまざまな部署を渡り歩いていき、ゼネラリストな自分を作ることができる」という感じです。入社してみて(1)(2)はおおむねイメージ通りでしたが(3)については私の認識違いでした」

 その辺は、漫画の方にも描かれていますね。専門商社というと、学生や事情を知らない社会人からすれば総合商社に劣る、というイメージがかなりあります。

小田「単行本のコラムにも掲載しましたが、そんなことはありません。総合商社は全国に7社しかありません。他は全部、専門商社です。しかも、扱う品目によっては専門商社の方がシェアを持っていることもあります」

 そうは言っても、幅広い仕事をできる、という点で学生は総合商社を志望しても、専門商社は志望しそうにありません。

小田「これは専門商社・総合商社で区別できるものでなく、その会社が「スペシャリスト志向」・「ゼネラリスト志向」のどちらであるかの問題になると思います。総合商社であっても「スペシャリスト志向」の商社であれば1部門で長く仕事をする事になると思いますし、複数部門を持つ「ゼネラリスト志向」の専門商社ならば部署間異動が一定期間ごとにあり得ると思います。しかしそれも目安にしかすぎません。ゼネラリスト志向の総合商社で営業をしている友人が私には居ますが、彼は研修期間を終えてから船舶を扱う営業部門一筋で現在に至っています。

 よって『幅広く…』が実現できるどうかは最終的には運次第とも思います。ただ、自分がその部署に利益貢献できる優秀な人材であればあるほど、他部署への移動の可能性は少なくなるかと思います。その点は専門・総合でそう大きくは変わらないと思います」

 ん?『笑介』シリーズだと、他の部門から異動したという話があったような。まあ、漫画だからとも言えますが。でも、主人公は結局、食品部門でずっと通していたような。やっぱり部署はそうそう変わらないものですか?

小田「例えば、食品部門に入ったら鶏肉から豚肉に担当が変わるとか、そういった担当替えはあるでしょう。でも、基本は専門分野で戦うことになります。その分野で長い年月をかけて蓄積した専門知識と築き上げた人脈が商社マンにとって大きな武器だからです。大きな実績をあげている食品部門の商社マンが全く畑違いの、例えば鉄鋼部門に行くというのは営業的な観点からはほとんどないと思います。人事的問題や政治的判断による場合はまた話が違ってきますが…」

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石渡 嶺司 [大学ジャーナリスト]

1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。日用雑貨の営業の派遣社員、編集プロダクションなどを経て2003年に独立。日本全国350校を超える大学を調査、とくに就職活動をめぐって、学生や大学就職課、教職員団体、あるいは高校生向けに積極的な執筆や講演活動を行う。主な著書に『就活のバカヤロー』『最高学府はバカだらけ』(以上、光文社新書)、『ヤバイ就活!』『就活のバカタレ!』(以上、PHP研究所)などがある。


みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

「第二次就職氷河期」といわれる現在。学生、企業、大学、親など、取り巻く関係者すべてに悲壮感が漂っている。こうした悲壮感が漂うなか、彼らの実態とはどのようなものなのか。その様子を時系列で追いながら、誰が就活を悲惨にしているのか、“犯人”を探る。

「みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司」

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