ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
逆境から生まれるイノベーション
【第3回】 2011年4月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

「社会を変えるソフトウェア」
ウィキリークスとウシャヒディの隠れた共通点
――「クラウド型技術」が大震災に呼応する【後編】

1
nextpage

 前回の記事では災害情報集約サイトを取り上げ、震災の中で起きた劇的な変化に迫った。「sinsai.info」の立ち上げからサービスインに至るまでの奮闘で明らかになったように、現代のエンジニアたちは時代の変化を敏感に感じ取り、新たな社会のシステムのあり方を具現化しようとする。

 今回の記事では「社会を変えるソフトウェア」の動向を追っていこう。

錯綜する情報と初動の遅れ
バラバラに情報を発信する必要はどこにあるのか

 救援を求める発信や支援を募る情報、そして安否確認まで。震災直後からありとあらゆる情報が飛び交った。さらにその後、原発の危機が本格化する。「チェルノブイリ化するのではないか」、「東京から脱出するべきではないのか」。そんな言説まで飛び交っていた。

 政府から企業、NPO/NGO、個々の被災者や支援者までほぼすべての主体が日夜問題解決に取り組んでいるにもかかわらず、いまだ事態の収束には至っていない。一部ではさらなる混乱を招き、「人災」という言葉まで使われるようになった。

 あらゆる「権威」が、多様な解釈を示し、更なる混乱を招いていることも、今回の大きな特徴だろう。情報は延々と垂れ流され、混乱は加速していくばかりだ。

 これに対して、前回の記事で紹介した「sinsai.info」のやり方はユニークだった。情報を集めることにも、発信することにも主眼を置かず、ただ、情報を選別し「まとめる」ことにだけ注力したのだ。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

社団法人wia代表理事/経営コンサルタント。
大学卒業と同時に経営コンサルタントとして独立。以来、社会起業家の育成や支援を中心に活動する。 2009年、国内だけの活動に限界を感じ、アジア各国を旅し始める。その旅の途中、カンボジアの草の根NGO、SWDCと出会い、代表チャンタ・ヌグワンの「あきらめの悪さ」に圧倒され、事業の支援を買って出る。この経験を通して、最も厳しい環境に置かれた「問題の当事者」こそが世界を変えるようなイノベーションを生み出す原動力となっているのではないか、という着想を得、『辺境から世界を変える』を上梓。
2011年6月末より、東北の復興支援に参画。社会起業家のためのクラウドファンディングを事業とする社団法人wiaを、『辺境から世界を変える』監修者の井上氏らとともに9月に立ち上げた。
twitter : @tetsuo_kato


逆境から生まれるイノベーション

2011年3月11日。

巨大地震と大津波による壊滅的な被害によって、ほぼすべてのインフラと行政サービスが機能麻痺に陥る中、異彩を放った「新しい動き」があった。

様々なクラウド技術、ツイッターやフェイスブックなどの「ソーシャルメディア」、災害情報や支援情報を瞬時に集約した「クラウド型技術」、そして寄付市場で起こりつつある変動。

本連載では、震災という逆境の中でこれらの技術が劇的に進化を遂げる様を描き出し、そこから、日本の新たな社会像を模索していく。

「逆境から生まれるイノベーション」

⇒バックナンバー一覧