「ずっと忙しい」のは危険信号…“暇がない人”の落とし穴とは?
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忙しい時期は、休むだけで精一杯
今日は、「暇な時間をあえて作ることの大切さ」について、お話ししたいと思います。
もちろん、人生には忙しい時期があります。そんなときは「暇な時間をつくる余裕なんてない」と感じるかもしれません。実際、私自身もそういう時期を経験したことがあります。
そうした時期には、休息のための時間を確保するだけで精一杯。なので、無理に暇をつくろうとする必要はありません。まずは、きちんと休める時間を優先してください。
予定を詰め込みすぎていませんか?
ただ、そういった時期を過ぎて、少し余裕が出てきたとき。つい予定をたくさん入れてしまう人が多いのではないでしょうか?
何か予定があると「暇を感じないで済む」という安心感があるかもしれません。たしかに、暇な時間が苦手な人にとっては良い面もあるでしょう。
ですが、あまりにスケジュールをパンパンに詰め込んでしまうと、自分を俯瞰して考える時間、つまり「舵取りの時間」がなくなってしまいます。
暇な時間は「舵取りの時間」
私は、「適度な暇な時間」は、自分の人生を舵取りするための大切な時間だと考えています。
たとえば、「このままでいいのかな?」「今後、何をやっていきたいんだろう?」といった問いは、暇な時間にこそじっくり向き合えるものです。
そして、「これはもうやめてもいいかも」「これを新しく始めてみたいな」など、人生の方向性を見直すきっかけにもなります。
始めることも吟味が必要
ただし、「やりたいこと」を次々に始めてしまうと、また時間が埋まってしまって、結局暇がなくなってしまいます。だからこそ、「始めること」もきちんと吟味しないといけません。
「今日はやりたいと思っても、明日になったらやる気がなくなっている」ということもありますよね。そんなときは、そのアイデアを潔くカットする判断も必要です。
本当にやりたいことを見つけ直す時間
やりたいこと、やりたくないことを見つめ直すためには、心に余裕が必要です。判断を急がず、少し立ち止まって考える時間があるだけで、選択の質が変わってきます。
暇な時間をあえてつくることで、自分の人生の方向性を見つめ直し、やりたいことを考える――それはとても楽しく、前向きな時間になります。
暇な時間が「若さ」を保つカギになる
暇な時間に考えることは、新しいことを始めるきっかけにもなります。新しいことを始めると、最初は環境が少し変わるので、その変化に対してワクワクした気持ちが生まれます。
私は、この「変化へのワクワク感」こそが、年齢を問わず、人を若々しく保つ原動力だと思っています。
若い頃の自分と比べてしまいがちですが、そもそも今の自分と昔の自分を比べることには、あまり意味がありません。今の自分にとっての「新しいこと」を始める――それだけで、人生に新しい風が吹き込むのです。
変化を楽しむために、あえて暇をつくる
もちろん、新しいことがうまくいくとは限りません。でも、大切なのは「うまくいくかどうか」よりも、「変化そのものを楽しめるかどうか」です。
だからこそ、変化を生み出すきっかけとして、あえて暇な時間をつくることはとても大事だと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。