「ずっと忙しい」のは危険信号…“暇がない人”の落とし穴とは?
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【精神科医が教える】「忙しい人」が抱えがちな心の不調・ワースト1Photo: Adobe Stock

忙しい時期は、休むだけで精一杯

 今日は、「暇な時間をあえて作ることの大切さ」について、お話ししたいと思います。

 もちろん、人生には忙しい時期があります。そんなときは「暇な時間をつくる余裕なんてない」と感じるかもしれません。実際、私自身もそういう時期を経験したことがあります。

 そうした時期には、休息のための時間を確保するだけで精一杯。なので、無理に暇をつくろうとする必要はありません。まずは、きちんと休める時間を優先してください

予定を詰め込みすぎていませんか?

 ただ、そういった時期を過ぎて、少し余裕が出てきたとき。つい予定をたくさん入れてしまう人が多いのではないでしょうか?

 何か予定があると「暇を感じないで済む」という安心感があるかもしれません。たしかに、暇な時間が苦手な人にとっては良い面もあるでしょう。

 ですが、あまりにスケジュールをパンパンに詰め込んでしまうと、自分を俯瞰して考える時間、つまり「舵取りの時間」がなくなってしまいます。

暇な時間は「舵取りの時間」

 私は、「適度な暇な時間」は、自分の人生を舵取りするための大切な時間だと考えています。

 たとえば、「このままでいいのかな?」「今後、何をやっていきたいんだろう?」といった問いは、暇な時間にこそじっくり向き合えるものです。

 そして、「これはもうやめてもいいかも」「これを新しく始めてみたいな」など、人生の方向性を見直すきっかけにもなります。

始めることも吟味が必要

 ただし、「やりたいこと」を次々に始めてしまうと、また時間が埋まってしまって結局暇がなくなってしまいます。だからこそ、「始めること」もきちんと吟味しないといけません。

「今日はやりたいと思っても、明日になったらやる気がなくなっている」ということもありますよね。そんなときは、そのアイデアを潔くカットする判断も必要です。

本当にやりたいことを見つけ直す時間

 やりたいこと、やりたくないことを見つめ直すためには、心に余裕が必要です。判断を急がず、少し立ち止まって考える時間があるだけで、選択の質が変わってきます。

 暇な時間をあえてつくることで、自分の人生の方向性を見つめ直し、やりたいことを考える――それはとても楽しく、前向きな時間になります。

暇な時間が「若さ」を保つカギになる

 暇な時間に考えることは、新しいことを始めるきっかけにもなります。新しいことを始めると、最初は環境が少し変わるので、その変化に対してワクワクした気持ちが生まれます。

 私は、この「変化へのワクワク感」こそが、年齢を問わず、人を若々しく保つ原動力だと思っています。

 若い頃の自分と比べてしまいがちですが、そもそも今の自分と昔の自分を比べることには、あまり意味がありません。今の自分にとっての「新しいこと」を始める――それだけで、人生に新しい風が吹き込むのです。

変化を楽しむために、あえて暇をつくる

 もちろん、新しいことがうまくいくとは限りません。でも、大切なのは「うまくいくかどうか」よりも、「変化そのものを楽しめるかどうか」です。

 だからこそ、変化を生み出すきっかけとして、あえて暇な時間をつくることはとても大事だと思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。