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三谷流構造的やわらか発想法

こんなときどうする?~営業編

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第6講】 2011年4月21日
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 連載の中でこれまでは、どんな発想法があるのか、そしてそれはどう役に立つのか、というスタンスで書いてきました。今回は逆で行きましょう。つまり、どんなときに発想(ジャンプ)が必要になるのか、そしてそれをひねり出すのにどんな発想法が有用なのか、です。

 就職口として最も多いのは営業職(*1)であり、昨今ではエンジニアであろうと営業能力が求められたりします。なので「営業での発想」を、まずは考えてみましょう。

 営業とひと口で言っても、実はさまざまなタイプがあります。

・法人対象/個人対象
・新規開拓/既存売り込み/既存メンテ
・テレマーケティング/店頭販売/訪問営業

 最も難易度が高いのは、法人相手の新規開拓の訪問営業(飛び込みセールス)でしょうか。ただ、いずれの場合でも、発想力が求められる状況は次の3パターンでしょう。

・A 相手を目の前にしての会話
・B みなが集まる会議での発言
・C 一人でプランや提案書作り

 A、Bでは「笑点」的な即時的対応が求められ、Cでは「もしドラ」的な鋭い切り口や新しいストーリーが求められます。各々について、事例とともに、そこで使える発想法を見ていきましょう。

A 相手との会話での発想法~「日米半導体摩擦についてどう思う?」

 1980年代から1992~93年にかけて、日米間では深刻な貿易不均衡が問題になっていました。舞台は半導体です。当時NECを筆頭にした日本メーカーが、DRAMを中心とした半導体メモリー市場で圧倒的なシェアを握っていた(*2)からです。

 87年4月、業を煮やした米政府は日本製のパソコン等に、なんと100%の関税を課しました。今で言う米中間の貿易不均衡問題に匹敵する戦いが、日米間で繰り広げられていたのです。

*1 エン・ジャパンで職種別に求人数(正社員)を検索すると、営業関連職が427件でトップ。ちなみにクリエイティブ・マスコミ関連職は131件。(2011年4月6日現在)
*2 NECは結局、2001年12月に汎用DRAMからの撤退を発表した。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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