きのう(4月20日)、ソフトバンクの孫正義社長は、民主党の復興ビジョン検討チームの会合に出席した。フルオープンだったこともあり、衆議院第二議員会館の多目的ホールで開かれた会合に、議員のみならず多くのメディアが詰め掛けた。

 その会合の冒頭、孫社長は、米国での発電コストに触れ、「私自身も驚いたのだが」と前置きしてこう話しはじめた。

「昨年、米国では原子力発電のコストと太陽光発電のコストがクロスオーバーした。原発は低コストだという認識を変える必要があるのかもしれない」

安全対策費用がかさむ原発、
技術革新で安くなってきた太陽光発電

 近年、安全管理の厳格化にともない原発コストは確実に上昇している。とりわけプルサーマルや高速増殖炉などの原子炉は、それ自体の建設維持費用よりも安全対策費用への投資が高コスト化している。そして、その傾向はますます強まっている。

 一方で、高コストで効率が悪いと見られていた自然エネルギー、とくに太陽光発電は、ソーラー技術や送電システムなどの革新によって低コスト化に成功している。

 再生可能な自然エネルギーによって生み出される電力は、かつてのような高コスト・低効率のままで停滞しているわけではない。省エネ技術の進歩とあいまって、世界中で根本的なエネルギー政策の見直しが始まっているのが現状だ。

 脱原発、自然エネルギーへのシフトという世界的なエネルギー事情を受けて、孫氏はきのうの会合で、いきなり新構想をぶち上げた。会場にいた私は、思わず自身のツイッターに次のように書き込んだ。