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香山リカの「こころの復興」で大切なこと
【第4回】 2011年4月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

「かわいそうな被災者」という勝手なイメージを
押しつけてはいけない

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忘れ去られた被災者たち

 4月14日、ちょうど仙台空港が再開した日に、取材で再び被災地を訪れました。

 新聞やテレビは、空路の再開を機に、復興ムードの論調へ大きく転換したような気がします。しかし、被災地の方たちの心の問題は、目に見える復興とはズレが生じていると感じました。

 仙台空港近辺には、いくつかの小さな町があります。町の人たちは、空港が再開してもらわないと物資が来ないので、その必要性を十分に理解しています。ただ、空港の再開を最優先したために、人手と重機はすべて空港に持っていかれたといいます。近辺の小さな町には、空港の再開とは裏腹に、復興が手つかずのまま放置されているという皮肉な現実がありました。

 前回、震災から十日あまりの被災地を訪れたとき、津波の被害が大きかった地域のそばでお菓子屋さんとお寿司屋さんが営業していました。今回はそこへ立ち寄りましたが、お客さんはほとんどいません。

 聞くと、震災の直後、尋常ならざる事態のなかで、お寿司屋さんは店に残っていたすべての材料を使って大量の稲荷ずしを作ったといいます。お菓子屋さんは、停電で機械を動かすことができなかったので、手作業でできる範囲でお菓子を作ったそうです。

 「お互いさまだからね」

 そう言って、お寿司屋さんもお菓子屋さんも被災者に無料で配りました。

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香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

1960年北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒業。豊富な臨床経験を生かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。著書に『しがみつかない生き方』『親子という病』など多数。


香山リカの「こころの復興」で大切なこと

震災によって多くの人が衝撃的な体験をし、その傷はいまだ癒されていない。いまなお不安感に苛まれている人。余震や原発事故処理の経過などに神経を尖らせている人。無気力感が続いている人。また、普段以上に張り切っている人。その反応はまちまちだが、現実をはるかに超えた経験をしたことで、多く人が異常事態への反応を示しているのではないだろうか。この連載では、精神科医の香山リカさんが、「こころの異変」にどのように対応し「こころの復興」の上で大切なことは何かについて語る。

「香山リカの「こころの復興」で大切なこと」

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