「べき思考」があなたを苦しめる…“課題を捨てた人”が手に入れた自由
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「課題」は本当に必要でしょうか?
今日は「人生の課題」についてお話ししたいと思います。
「人生には課題がある」と考えている方は多いかもしれません。自分にはこれが足りない、あの能力が不足している、と感じて、課題を設定し、それに取り組もうとする人は少なくありません。
もちろん、それ自体は良いことだと思います。ですが、問題なのは「うまくいかなかったときに自分を激しく責めてしまう人」が多いという点です。
「課題」ではなく「目標」としてとらえる
そもそも、「課題」として物事を考えると、「やらなければいけないこと」という意識が強くなりがちです。
これは、カウンセリングなどで言われる「べき思考」にもつながってしまいます。「◯◯しなければならない」という思考ですね。
こうした「べき思考」は、自動的にわいてくるものであり、自分を苦しめる原因にもなります。ですから、「課題」と捉えるのではなく、あくまでも「目標」として持つことが大切なのです。
自分を採点しなくていい
課題があると考えてしまう背景には、「自分を採点する癖」があるのかもしれません。
自分の能力をレーダーチャートのようなもので評価して、「ここがへこんでいるから、ここを伸ばさなきゃ」と考える。これは、学校教育や受験勉強の影響かもしれません。
しかし、人生においてそんなふうに自分を採点する必要はありません。そもそも、人間の能力はそんな綺麗な円形のグラフにはなりませんし、目指す必要もないのです。
「足りない」からといって価値が下がるわけではない
「私はこれができないからダメなんだ」と考える必要はありません。逆に、「これが達成できたから自分の価値が上がった」と思う必要もありません。
あなたの価値は、他人からの評価によって決まるものではありません。他者がどう見るかではなく、自分が自分をどう見るかが大切です。
今を楽しむために目標を持てばいい
本当に大事なのは、「いま、自分が何をしたいか」ということです。「これをやってみたい」「やったら面白そう」――そう思ったことにチャレンジする。
成果が出たらそれを楽しめばいいし、楽しくなくなったらやめてもいい。忘れてしまったら、それはそれで構いませんし、思い出したらまた始めればいい。
「いまを楽しく生きるための目標」として、何かに取り組むのは素晴らしいことです。でも、それは「課題」ではありません。義務ではないのです。
あなたの人生に「課題」はありません
最後にもう一度お伝えします。あなたの人生に「課題」なんてものはありません。あるとすれば、それは「いまをより楽しむための目標」だけです。
自分を責めず、自分を比べず、ただ「やってみたい」「やって楽しい」ことに取り組んでいけばいいのです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。