ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA
【第7回】 2017年3月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
三木雄信

「ソフトバンクの社員だけ」に受け継がれる
最強の営業術とは?

1
nextpage

「仕事が進まない」「今日も残業だ」「結果が出ない」……こうした問題を、すっきり解決してくれる手法がある。PDCAを超スピードで回す「高速PDCA」だ。ソフトバンクでは6万人超の社員がこの手法を使い、わずか三十数年で8兆円企業を誕生させた。
それはどんな仕組みなのか? 複合コピー機の営業マンを例に、9年にわたり孫社長の右腕として活躍した元ソフトバンク社長室長・三木雄信氏の話題の新刊『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』から一部抜粋して紹介する。

もしも新人営業マンが高速PDCAを使ったら

 高速PDCAがどういう仕組みなのか、もう少しイメージがつくように、今度は営業の仕事で説明してみます。

 まずは、次に紹介する新人営業マンが、なぜノルマを達成できなかったのかを考えてみてください。

 あるコピー・FAXの複合機の営業代理店に入社した新人がいます。彼はそれまで営業経験が一切ありませんでしたが、入社翌日から営業を始めました。

 上司から課されたノルマは、月5件の契約獲得。見込み客のリストを数枚渡され、上から順に電話をかけて、アポがとれた相手を訪問するように指示されました。上司からのアドバイスは、「とにかく頑張れ。何事も経験だ」のひと言だけです。

 それから1ヵ月間、新人はひたすら電話をかけ続けましたが、電話がつながらなかったり、相手と話が続かずにすぐ切られてしまったりして、アポを2件とるのがやっとでした。それでも何とか契約をとろうと、アポがとれた2人を訪問したものの、結局1件も契約できずに終わりました。

 この新人がノルマを達成できなかった理由は何だと思いますか?

 「新人でまだ経験が浅いのだから仕方がない」

 「教えられた通りにやってできないのは、彼の能力不足かも」

 「上司の指導方法が悪かったからだ」

 確かにそうした要因がないとは言いませんが、果たしてそれだけでしょうか。この新人が3ヵ月、6ヵ月と経験を積んでいけば、いつか月5件のノルマを達成できると思いますか?

 私はできないと思います。

 ソフトバンク的な視点から見ると、その原因ははっきりしていて、この新人がノルマを達成できない理由は次の三つに集約できます。

 1.何も考えずに電話をかけている
 2.毎日の結果を記録していない
 3.自分の仕事を数字で把握していない

 要するに、以前紹介した「ソフトバンクの三原則」と真逆をいくような行動をしているわけです(第1回参照)。そして多くの人が、現実にこうした働き方をしている。そのためになかなか成果を出せずにいるのだと、私は気づきました。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
  • ダイヤモンド・オンライン 関連記事
    お金のウソ

    お金のウソ

    中野晴啓 著

    定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2017年7月

    <内容紹介>
    誰も教えてくれなかった「お金の真実」!親の言うことを聞いているとお金が減る。 20代、30代がこれから生き抜くための本当に必要で最低限の知識。 成長なき「成熟経済」の時代に、お金を着実にふやして、守り、安心を手に入れるには、 預金、保険、銀行、投資…お金をふやすには、どうつきあうのが正解?

    本を購入する
    著者セミナー・予定

    (POSデータ調べ、8/6~8/12)



    三木雄信

    1972年、福岡県生まれ。東京大学経済学部卒業。三菱地所㈱を経てソフトバンク㈱に入社。ソフトバンク社長室長に就任。孫正義氏のもとで、マイクロソフトとのジョイントベンチャーや、ナスダック・ジャパン、日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)買収、およびソフトバンクの通信事業参入のベースとなった、ブロードバンド事業のプロジェクトマネージャーとして活躍。また、一連の事業を通して「高速PDCA」の土台を構築する。
    2006年に独立後、ラーニング・テクノロジー企業「トライオン株式会社」を設立。1年で使える英語をマスターするOne Year English プログラム〈TORAIZ〉を運営し、高い注目を集めている。
    自社経営のかたわら、東証一部やマザーズ公開企業のほか、未公開企業の社外取締役・監査役などを多数兼任。プロジェクト・マネジメントや資料作成や、英語活用など、ビジネス・コミュニケーション力向上を通して、企業の成長を支援している。
    多数のプロジェクトを同時に手がけながらも、ソフトバンク時代に培った「高速PDCA」を駆使し、現在は社員とともに、ほぼ毎日「残業ゼロ」。高い生産性と圧倒的なスピードで仕事をこなし、ビジネスとプライベートの両方を充実させることに成功している。
     


    孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA

    どんなにハイレベルな仕事でも、PDCAを使って超スピードで、かつ確実に成果を出す仕事術。仕事がうまくいかない、時間がかかってしまう、今日も残業だ……ビジネスパーソンの多くが日々、こうした課題と格闘しているのではないでしょうか。こうした問題をシンプルに解決する方法が、本書で紹介する「PDCA」です。
    長年、ソフトバンク孫正義社長のハードな要求、すなわち「むちゃぶり」に答えてきた著者が、具体的にどうPDCAを回すことで、すぐれた仕事をしてきたのか、そのためのノウハウを紹介します。

    「孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA」

    ⇒バックナンバー一覧