叡智を出し合い、互いに学ぶ!
ハーバードで日本救済のイベントが続いている。先週行われたパネルディスカッションのキーノートスピーカーとしてマイケル・サンデル教授が登場した。サンデル教授は「この震災以降の我々の生き方について」色々と議論のきっかけになるような視点を与えてくれた。
・誰が復興の議論をどう指揮するのか?
・原子力発電にどう付き合っていくのか?
・議論から一歩進んで実際に何がわれわれにできるか?
とても重要な視点である。これを受けての会場での議論で、私はこう発言した。
「アメリカからはたくさんの支援を頂いていて、感謝に絶えない。しかし、これからの日本に最も必要なのは叡智だ。この悲惨な災害の前から日本には多くの課題があった。それらがこれを契機に悪化の兆しをみせている。復興は想像以上に厳しく長い道のりになるだろう。ハーバード大学は世界の叡智の中心である。世界のベストプラクティスが揃っている」
「ビジネススクールには、コーポレートガバナンスの世界中の事例とそれを分析検討した叡智がある。これらは電力会社のあるべきガバナンスに活用できる。ケネディスクールには危機管理の専門家がいる。世界の政府の災害やテロに当たっての危機管理のベストプラクティスが研究されている。経済学部には、財務長官や大統領の経済アドバイザーであった経済・財政の専門家が揃っている。建築学部には災害からの復興そして防災につながるデザインや建築の叡智がつまっている。医学部には救急医療はもちろん、避難所での感染症から心の病までケアできる専門家とノウハウが一杯だ。他にもまだまだある」
「ハーバードの中に復興委員会を作るのはどうでしょう。それを指揮できるのはサンデル教授、あなたしかいない!ハーバードは素晴らしい大学だが、各学部や大学院にツワモノがいてまとめるのは大変だ。日本でも高い評価を受け、専門家を相手にしても堂々と議論を取り仕切れる技能を持ち、日米双方の専門家や当事者に聞く耳を持たせるのはあなたしかいない。ここハーバードの叡智を結集してそれを日本の政府や企業の参考になるように伝えてほしい。日本のためによろしくお願いします」
サンデル教授の答えは次のとおりだった。