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昨年、東京大学、千葉大学、慶應義塾大学の学生による集団強姦事件が相次いで発覚し、世間に大きな衝撃を与えた。公判で東京大学の加害者学生が「偏差値が低いため、性的な対象としか見ることができなかった」という主旨の発言をしたこともクローズアップされ、その認識の特異性が浮き彫りとなった。有名大学の学生による集団強姦事件が多発する背景には何があるのか。被害を防ぐために、どのような対策をとるべきなのか。専門家に話を伺った。(取材・文/岡本実希、編集協力/プレスラボ)

昨年立て続けに発覚した
有名大学による集団強姦事件

福井裕輝氏/性障害専門医療センター代表理事。平成11年に京都大学医学部卒業後、京都大学医学部附属病院精神科、法務省京都医療少年院、厚生労働省国立精神・神経センターなどを経て現職

 昨年、有名大学の学生による集団強姦事件が立て続けに発覚し、大きなニュースとなった。多くのメディアが事件を取り上げたが、加害者の学歴や恵まれた家庭環境にのみ焦点を当てた報道も多かったことは否めない。こういった報道が読者の好奇心を煽ることは確かだが、果たして再発防止につながるのだろうか。

 加害者たちはなぜ集団強姦事件を起こしたのか。有名大学出身であるということと事件の間に関連性はあるのか。本稿では、性加害者への治療や研究を行う福井裕輝氏、斉藤章佳氏のお二人に専門家の観点から事件について聞いた。

 まず、昨年起きた有名大学学生による集団強姦事件だが、下記のようなものがある。

 ◎東京大学・集団強姦事件
 2016年5月、大学生同士の交流を図るという名目のサークルに所属する東大生らが、東京都内のマンションで女性に性的暴行を行い、集団強姦罪に問われている事件。アルコールで意識が朦朧としている女性に対して、陰部にドライヤーをあてたり、カップラーメンをかけたりするなどの行為もあったとされる。逮捕された5人の学生のうち、3人が退学、2人が停学になったと報じられている。