スマートエイジングライフ
医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」
【第8回】 2017年3月22日
阿保義久 [北青山Dクリニック院長]
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筋力低下は死に繋がる!老化防止に大事なのは筋肉だった

 医学においても筋肉の理解は重要で、医学生は生理学(生命現象を機能の観点からアプローチする生物学の一つ)の授業の最初に筋肉の働きを学びます。筋肉は神経・脳と一連の構造体として内臓から体幹まで人の身体の大部分を覆っているため、生理学では極めて重視されるのです。

 運動ばかりしている人のことを揶揄して「頭まで筋肉のよう」と言うことがありますが、面白いことにこれは筋肉と脳の関係を言い得ているように感じます。というのも、脳の中で運動を司る運動野と感覚を司る感覚野は、神経を介して筋肉と密接に結びついており、筋肉を動かすためには対応する運動野の脳神経が興奮する仕組みとなっています。逆に、脳神経が興奮するとその刺激が神経を通って筋肉に届き、初めて筋肉が動きます。

 すなわち、脳がしたいことを表現しているのが筋肉ですので、脳と筋肉を切り離して捉えることはできません。

 最近では、筋肉を鍛えるために電気刺激で筋肉を刺激するトレーニング器具を見かけますが、これは実用的な筋肉の動きの改善や筋力アップにはほとんど意味をなしません。こうした機器は自分の意志とは無関係に筋肉を動かすため、筋肉を大きくする効果しかありません。使える筋肉を鍛えるには、対応する脳神経の興奮が必須なのです。

筋肉を強化する栄養素
タンパク質とビタミンDを意識しよう

 さて、筋肉と脳の関係をご理解いただいたところで、筋肉の強化方法の説明に移ります。筋肉を強くするには食事と運動が欠かせません。

 筋肉を作るために必要な栄養素としてまず挙げられるのは良質のタンパク質です。タンパク質は消化の際にアミノ酸に分解されて吸収されますが、このアミノ酸が筋肉を合成する原料になります。

 タンパク質を構成しているアミノ酸は20種類ですがそのうち9種類は体内で合成できません。ですので、食事から摂り入れる必要があるのです。これら9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるのが良質のタンパク質になります。

 タンパク質は動物性のものと植物性のものがあります。動物性タンパク質には9種類の必須アミノ酸が全てバランスよく含まれています。一方で植物性タンパク質は、含まれているアミノ酸にばらつきがあります。ただし、動物性タンパク質を摂り過ぎると悪玉の脂肪の摂取も過大になるリスクがあるので、動物性タンパクに偏らずに植物性タンパクも摂り入れてバランスを保つことが大切です。

阿保義久
[北青山Dクリニック院長]

東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。2000年に北青山Dクリニックを設立。下肢静脈瘤の日帰り根治手術椎間板ヘルニアのレーザー治療痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。


医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」

「アンチエイジング」とは美容医療だけを指すのではなく、心臓血管、脳、消化管、骨・関節など、全身に関わり、身体年齢の老いを遅らせることが目的です。40代から意識すると効果的で、その対象は40~65歳位の方になります。本連載では、アンチエイジングの概念や体の部位ごとの変化を紹介し、ケア方法を提案していきます。

「医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」」

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