>>(上)より続く
やがてBさんの所属する課の雰囲気がぎこちなくなっていった。先輩と課長がBさんを取り合うような格好でいがみ合い始めたのである。既婚者2人が1人の独身女性に恋をして修羅場を演じるというのは滑稽な気がしないでもないが、修羅場には違いない。「女の嫉妬は怖い」というが、男の嫉妬も顕在化すると手に負えないくらいタチが悪い。
課の異変はすぐに周りの知るところとなり、人事が動いた。Bさんと先輩を地方の、それぞれ別の支社に異動。課長はお咎めなしであった。課長だけ処罰を免れた理由について、Bさんはこう推測する。
「課長はすごく仕事ができる人だったので、会社的にもそこで課長を手放すことはできなかったのではないかと思います。人事部とも親しかったみたいだし。会社的には私と先輩が異動すればひとまず事は丸く収まるので」
当事者3人のうち、2人が異動となり、この件はひとまずの解決を見たようである。当時を振り返り、Bさんはこう語った。
「どんな理由があっても私の行動は浅はかだったと思います。私への異動辞令には納得ですが、課長に何の処罰もなかったのは少し不満に思う部分はあります。ただ、会社とはそういうところなのだなという勉強にはなりました」
キャリアウーマンは諸事やり手?
バレても傷を負わない立ち回り
3ケース目は、独身男性と既婚女性の不倫だ。
Cさんは当時独身、電機メーカーの営業部に勤める若手男性社員だった。所属する課の課長は30代後半の子持ち既婚女性で、社内でもちょっと目を引くキャリアウーマンだった。