Photo:Motoo Naka/Aflo

 森友学園問題。今週の23日には渦中の籠池理事長の国会での証人喚問を予定していることもあってまだまだ話題が尽きない模様だが、今回はこの問題をマーケティング視点で考えてみたい。つまり、誰がどんな得をしているのかということなのだが、この問題をずっと追求しているマスコミと野党、そして国有地の払い下げ問題という意味で最大のステークホルダーである国民にとってのマーケティングである。

次々と役者が登場する
美味しい展開

 まず、マーケティング的な話をする場合は、そもそもの目的が何であるかという「ゴールイメージ」を明確にする必要がある。一般的に企業のマーケティングにおいては、商品の売上を伸ばすとかシェアを拡大するといったことがそれに当たる。

 では、今回の森友学園問題におけるマスコミと野党にとってのゴールとは何かと言えば、安倍内閣に打撃を与え、なんなら安倍氏を総理の座から引きずり下ろすということなのだが、しかしそれは失敗している。もちろん、商売という意味ではマスコミは成功している。テレビも新聞もネットメディアもいまだにこの問題を大きく扱っているのは、「数字」が取れているからだ。数字が取れれば商売になるから、それは成功していると言える。

 ただしそれは、マスコミがマーケティング的に成功させたというわけではない。森友学園問題がここまで盛り上がっているのは、次から次へと「役者」が登場するからだ。主役の籠池理事長、安倍総理、昭恵夫人に加え、弁護士時代の籠池氏との関係を追及されて発言が二転三転し、答弁中にいつ泣き出してもおかしくないくらいボロボロな印象の稲田防衛大臣。誰もがノーマークだったのに、自らマスコミの前に現れた鴻池議員。そして、その鴻池氏からオバハン呼ばわりされた籠池理事長の妻、記者会見でマスコミに喧嘩を売りまくった長男もいる。さらに、当初は森友学園を追及していたはずなのに、いつのまにか籠池氏のスポークスマンに転向したかのように見える著述家の菅野完氏など。