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新聞記事から学ぶ経営の理論
【第4回】 2011年5月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
渋井正浩 [エムエス研修企画 代表取締役]

マクドナルドとモスバーガーの違いを
ポーターの『戦略論』で解き明かす

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 また、コストリーダーシップ戦略は、単なる低価格戦略ではありません。低コストの裏付けのない、単なる低価格戦略では、一時的にはいいかもしれませんが、長期的は赤字体質になってしまいますので長続きしません。それに、必ずしも業界の中で最低の価格を出している、ということでもありません。体質として低コストだよ、同じ水準のものを作るんだったら業界内の他の会社よりも安く作ることができるよ、それを目指すよ、という意味ですので、注意して下さい。

戦略が異なれば
お店のつくり方も変ってくる

 2社の戦略の違いは、メニューの数、価格設定だけでなく、店舗作りにも表れています。モスバーガーの店舗は、自然な色合いを使ったり、入り口に大きな観葉植物を置いたりして、居心地のいい店作りになっています。長時間いても寛げるような店づくりです。マクドナルドは、特に駅前や繁華街などの来客数の多い店では、色合いや座席の感じも含め、お客さんの回転率を上げたいという狙いが見えるような店作りをしています(ただしマクドナルドでは、高級感のあるインテリアを使った実験的な店舗を首都圏の一部で導入済み)。

 また、モスバーガーは現状で全店の4割が禁煙店で、さらに10年以内に全店で禁煙にする計画を立てている一方で、マクドナルドは分煙は実施していますが、売上が落ちるという理由で全面禁煙には消極的です。

 このように2社は同じ業界にありながら、戦略的には別々の戦略を実施しています。こういったケースは多くの業界、特にBtoCの業界で顕著に見受けられます。たとえばファッション業界では、ユニクロが①コストリーダーシップ戦略、百貨店中心の総合アパレルは②差別化戦略、フォーエバー21は③集中戦略(若い女性向けの低価格品に集中)に分類できます。

 ポーターの『3つの基本戦略』は非常に単純なフレームワークですが、自社の長期戦略の立案、ライバル企業や業界の分析に威力を発揮するとても便利なフレームワークなのです。

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渋井正浩 [エムエス研修企画 代表取締役]

1988年東北大学経済学部卒業、協和銀行(現りそな銀行)入社。主に本社にて法人向け融資審査を担当。2005年りそな銀行を退職し、エムエス研修企画入社。現在は主に企業向けの人事研修コンサルティング、研修コンテンツ作成を中心に活動中。
ホームページ: http://www.womanf.co.jp/
ブログ: http://ameblo.jp/sibuyanohiro/
 


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経営理論は、具体的な例とともに覚えるのがもっとも効果的。本連載では、新聞や経済誌の記事を題材にし、コトラーやポーターなどの著名な経営理論を解説します。経営理論は難しいと思っていた人でも、目から鱗です。また何気なく読んでいた記事が意味するところも、より深くわかるようになります。

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