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新聞記事から学ぶ経営の理論
【第5回】 2011年5月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
渋井正浩 [エムエス研修企画 代表取締役]

ヤクルトは、なぜ新興国市場で強いのか
ミルミル伸びるBOP戦略の秘訣

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日本で新興国市場で強い企業といえば、
おなじみのヤクルト

 国内市場が縮小する日本企業にとって海外市場、とりわけ新興国の開拓は大きな課題です。新聞でも海外進出の話題が毎日のように報道されています。そのような中、食料品という国内市場中心の業界にありながら、すでに営業利益の半分以上を海外で稼いでいる企業がヤクルト(会社名:ヤクルト本社)です。

 ヤクルトが特に強いのは、中南米のメキシコやブラジル、それにアジア諸国といったBOP市場です。BOPとは、Bottom of the Pyramidの略で、新興国の貧困層・低所得者層マーケットを指します。アメリカの経営学者C.K.プラハラードが著書『ネクスト・マーケット』で提唱した概念です。今回はヤクルトがBOP市場で成功している要因を探っていきます。

 ヤクルトが5月13日に発表した2011年3月期決算は、売上高3060億円(前期比+5%)、営業利益204億円(前期比+7%)を記録しました。飲料メーカーとしては規模的には中堅どころの会社ですが、特筆すべきは海外での実績です。現在、ヤクルトは海外の31の国と地域で「ヤクルト」の販売を行っていて、1日あたり約2000万本を販売しています。国内の販売本数がミルミルやジョアを含め約1000万本ですから、ほぼ倍の数を海外で販売していることになります。結果として、海外での営業利益が130億円となり、営業利益の半分以上を海外で稼いでいる計算になります。

 食料品、飲料品は地域ごとの嗜好性が強いため、自国の商品をそのまま他国に持ち込んで販売するのは、一般的に難しいといわれています。また、各国で販路を築くのが一朝一夕では困難で、その2点が日本の食品メーカーがなかなか海外進出できないネックになってきました。最近頻繁に発表される日本メーカーの海外進出でも、自社が直接進出するケースより、現地メーカーを買収したり、提携したりする戦略を取ることが多いのもその2つが理由です。

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渋井正浩 [エムエス研修企画 代表取締役]

1988年東北大学経済学部卒業、協和銀行(現りそな銀行)入社。主に本社にて法人向け融資審査を担当。2005年りそな銀行を退職し、エムエス研修企画入社。現在は主に企業向けの人事研修コンサルティング、研修コンテンツ作成を中心に活動中。
ホームページ: http://www.womanf.co.jp/
ブログ: http://ameblo.jp/sibuyanohiro/
 


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経営理論は、具体的な例とともに覚えるのがもっとも効果的。本連載では、新聞や経済誌の記事を題材にし、コトラーやポーターなどの著名な経営理論を解説します。経営理論は難しいと思っていた人でも、目から鱗です。また何気なく読んでいた記事が意味するところも、より深くわかるようになります。

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