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新聞記事から学ぶ経営の理論
【第13回】 2011年7月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
渋井正浩 [エムエス研修企画 代表取締役]

マクドナルドがテレビCMをやめる日は来るか?
桁外れのOne to Oneマーケティングは成功するのか

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顧客の購買履歴に応じた
カスタマイズされた割引クーポン

 「あなたへのお薦め商品の、あなただけの割引クーポンをお送りします」

 そんな、ありそうでなかった“一人ひとりにカスタマイズされた割引クーポン”を1000万人に届けようとしている会社があるのをご存じでしょうか。その会社はハンバーガーでおなじみのマクドナルドです。

 マクドナルドでは携帯電話サイトの会員に対して、過去の購買履歴のデータをもとに、一人ひとり内容の違う割引クーポンの発行を始めることになりました。一般的に割引クーポンはwebサイトから印刷して使ったり、メールで配信されたデータを店頭で提示することで利用できます。しかし、割引の内容が一律であったり、せいぜい性別や年齢などの属性に応じて何パターンか用意されているに過ぎません。

 ところが今回のマクドナルドの割引クーポンは、顧客の購買履歴を詳細に分析し、その人に合った割引を一人ひとりきめ細かく設定する内容になっています。これは従来のマーケティング手法と一線を画すもので、“One to Oneマーケティング”と呼ばれています。今までの日本の大手企業で、ここまで踏み込んだOne to Oneマーケティングを実施している会社はありませんでした。

 Amazonなどのウェブ中心の会社では、過去の購買履歴を分析し、ホームページやメールでお薦め商品を紹介するケースはありました。しかし、大手企業のリアル店舗で一人ひとりに合わせた割引条件の設定などは過去に例がなく、今回のマクドナルドが実質的に初めての本格導入のケースといっていいでしょう。

 具体的な割引クーポンの中身としては、

 「来店頻度は高いが、新発売のハンバーガーを購入していない顧客⇒新発売のハンバーガーを大幅に割り引き」
 「一定期間、来店していない顧客⇒従来よく購入していたハンバーガーなどを割引」
 「週末の昼にコーヒーを頻繁に購入する顧客⇒週末の朝にコーヒーが無料になる」

 などがメールで配信される予定です。メールで送られてきたクーポンは、マクドナルド店内の読み取り機に携帯電話をかざせば利用することができます。 

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渋井正浩 [エムエス研修企画 代表取締役]

1988年東北大学経済学部卒業、協和銀行(現りそな銀行)入社。主に本社にて法人向け融資審査を担当。2005年りそな銀行を退職し、エムエス研修企画入社。現在は主に企業向けの人事研修コンサルティング、研修コンテンツ作成を中心に活動中。
ホームページ: http://www.womanf.co.jp/
ブログ: http://ameblo.jp/sibuyanohiro/
 


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経営理論は、具体的な例とともに覚えるのがもっとも効果的。本連載では、新聞や経済誌の記事を題材にし、コトラーやポーターなどの著名な経営理論を解説します。経営理論は難しいと思っていた人でも、目から鱗です。また何気なく読んでいた記事が意味するところも、より深くわかるようになります。

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