銭湯で地域コミュニティづくり
イベントや他店舗とのコラボも

 喜楽湯では、積極的にイベントを開催し、集客を図っている。落語や漫才を上演したり、こどもの日には、駐車場に近隣の人が交流できる場を設けて楽しんでもらったりしている。地域の店舗とのコラボも盛んだ。古着屋さんやカフェなども出張してくれ、地域で相乗効果が生まれているという。

「喜楽湯は、やはりご高齢のお客さんが多いのですが、我々が運営を始めてから、徐々に若い人が増えています。WEBやSNSでの情報発信はもちろん、駅前でのビラ配りも行っています。ビラ配りをした時は、銭湯がビラ配りなんてめずらしい!と興味を持ってくれました。実際、近所の人でも、自分の住む街に銭湯があることを知らないという方が多く、これには驚きました」

 特に力を入れているのが、接客。スタッフはお客さんのキャラクターや趣味をさりげなく聞き出し、似た趣味を持つ人がいれば、つなげる工夫をしている。こうやって常連の輪ができていき、営業終了後に一緒に飲みに行ったり、掃除の手伝いをしてくれたりする関係も生まれているという。

 銭湯業界は、昔ながらの慣習を守る店舗が大多数である。チラシを配ったり、WEBやSNSで発信するなど、普通の商売ならば当たり前のことを行っているところが、まだまだ少ない。それだけに、今後の伸びしろも大きいのではないだろうか。

 現在、週に1軒の割合で廃業している銭湯。わずか460円(東京都)で楽しめる街場のオアシスと思えば、これほどコストパフォーマンスのよい場所もない。自宅に風呂のある方も、たまには銭湯でリフレッシュしてみてはいかがだろうか。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R)