クルマは本当に必要なのか

 1つめは、クルマの所有です。最近は若者のクルマ離れが進んでいますが、バブル世代にとって、相変わらず「クルマは持つのが当たり前」。

 住宅購入の相談で「住宅ローンの返済額が多いので、クルマを手放したほうがいいですね」などとアドバイスすると、「ゴルフに行くのに他人のクルマに乗せてもらいたくない」といった理由で渋る人が少なくありません。維持費やクルマの買い替え費用も「かかるんだから、しょうがない」という感覚です(ちなみに「かかるんだから、しょうがない」はバブル世代の口癖です)。 

 しかし、クルマは高い維持費がかかるもの。月々の支出だけを見ていると維持費の高さに気づきにくいのですが、ガソリン代、駐車場代、自動車保険料、税金、車検代などを足し合わせると、首都圏なら年にだいたい50万円は必要です。クルマをローンで買って月々4万円支払うとすると、クルマ関連の支出だけで年間100万円もかかる計算になります。

 ですから公共交通機関が発達している地域に住んでいる人であれば、クルマを持たないことを検討してみてください。「小さい子どもがいるから、クルマがないと不便」という方もいると思いますが、クルマの維持費を考えれば、タクシーにじゃんじゃん乗ったほうがずっとおトクな場合が多いのです。 

40代は専業主婦世帯が多い

 2つめに、バブル世代の妻は専業主婦期間が長いことが挙げられます。結婚と同時に家庭に入った女性たちも、子どもが小学校に入るころには「子育ても一段落したし、私も働きたい」と思う人が少なくありません。

 しかし残念なことに、結婚や出産でブランクがあくと、そのブランクの年数に応じてビジネスパーソンとしての女性の市場価値はみるみる下がってしまうのです。辞める前にはどんなに優秀な女性でバリバリ仕事をこなしていたとしても、以前と同じ給与や待遇を求めるのは無理です。

 私も女性ですから理不尽なことと憤りを感じますが、こうした現実を知っておかないと、同じ共働きをするのでも家計の収入に大きな差がついてしまいかねません。

 また、パート主婦は正社員で働く女性に比べて年金額が少ないため、リタイヤ後の世帯収入に影響を及ぼすことも忘れてはなりません。 

生保会社も「ブランド志向」で選びがち

 3つめは、生命保険料をたくさん払っていること。バブル世代には、大手生命保険会社の営業職員から勧められるままに、特約満載の保険に加入している人がたくさんいます。背景には、「大手の会社の保険だから安心だ」という、バブル世代に特徴的な“ブランド志向”があるようです。 

 しかし、日本の大手生命保険会社が勧める商品の多くは、必ずしも必要とはいえない特約や保障がたくさんセットになっているという特徴があります。営業職員が売っているため、販売コストがかかることもあり、保険料も割高です。