住宅ローンはボーナス払いの比重が高い
4つめは、ボーナスに頼りすぎた住宅ローンを組んでいること。景気が良かった時代に借りているので、ボーナス返済分が1回30万円といったケースは少なくありません。毎月返済分が10万円なら、ボーナスの月は40万円払う計算になります。景気悪化でボーナスがずいぶん減ってきているので、ローン返済が家計を圧迫しています。
バブル世代の家計診断をしていると、「何とかなるさ」と思っている人が少なくありません。しかし、計算してみると、定年退職を迎える時点までにまとまった貯蓄ができず、多額の住宅ローンが残ることが判明するのです 。
子どもの教育費負担がとても重い!
5つめは、子どもの教育費負担が重いこと。子どもを小学校や中学校から私立に通わせる人が周囲に多いと、「それならうちも」とつい右にならえをしてしまいがち。 しかし、子どもが私立校に行けば、教育費の負担は非常に大きくなります。たとえば中学校の場合、公立なら学費は年50万円程度ですが、私立は約125万円です。子ども2人を私立に通わせれば、年間250万円かかります。教育費に年間250万円もかけると、貯蓄がまったくできなくなる家計がほとんどとなります。
バブル世代の40代には耳の痛い話が続いたかもしれません。一方、堅実世代の30代には、全部当てはまる習慣ではないと思いますが、これらを念頭に、将来、後悔しないために必要なことは、次のようになります。
1)都市部に住むなら車を持たない
2)共働きを目指す。出産等で辞めざるをえなかった人は、できるだけ早く復職を試みる
3)生命保険はシンプルな保障にして保険料を抑える
4)住宅ローンを組むときボーナス返済は利用しない
5)子どもの進路を決めるときは、予算立てからはじめる
これら5つのことを実行するだけで、毎日細かな節約をしなくても、お金をラクに貯めることができ、将来の安心が手に入るのです。
今のうちにぜひ「お金が貯まる習慣」を身につけてください。
ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。15年間で受けた相談は3000件以上。「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。日本経済新聞夕刊、日経WOMAN、日経ビジネスAssocie等でマネーコラムを連載中。
おもな著書に
『住宅ローンはこうして借りなさい・改訂3版』、
『住宅ローンにだまされるな!住宅ローン見直し編』、
『災害時 絶対に知っておきたい「お金」と「保険」の知識(共著)』、
『生命保険はこうして選びなさい・新版(共著)」(いずれもダイヤモンド社)、『女子必読!幸せになるお金のバイブル』(日本経済新聞出版社)などがある。
所属先:(株)生活設計塾クルー http://www.fp-clue.com/
ブログ:「お金のおけいこ」http://www.akie-fukata.com/
Twitter アカウント:http://twitter.com/akiefukata
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