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なぜあの人の話に納得してしまうのか
【第2回】 2011年6月7日
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中谷彰宏 [作家]

説得するためには、
主役を相手に譲ればいい。

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人は「納得する」のは好きですが「説得」されるのは嫌いです。ところが多くの人は、聞き手を説得しようとして失敗します。聞き手が納得してくれるような話し方のコツを集めた本『なぜあの人の話に納得してしまうのか[新版]』の中から、納得してもらうための話し方のコツを紹介いたします。

「そういえば、私もこの間…」と
人の話を途中で奪わない。

 会話の大原則は、人の話を奪わないことです。

 人の話を奪う人は多いです。

 「この間、香港に行ってきまして」という話を聞くと、「私もこの間、香港に行ってきまして、どこどこのホテルに泊まったんですけれども」と平気で言う。

 つまり、話の主役が常に自分でなければイヤだというタイプの人です。

 これでは人を説得することは絶対できません。

 これはやっている本人はまったく気がついていません。

 自分の話をするのは、相手のエピソードが終わってからでいいのです。

 「この間、香港に行ってきまして」と相手がエピソードを語ろうとしている。

 「香港に行かれたことはありますか」と聞かれたわけではないのです。

 「ああ、香港。この間私も行ってきました。あれ知ってますか?」と話を奪ってなぜ平気なのか。

 これはコンサルタントの仕事をしている人にしばしば見られる現象です。相手が話していることは自分もなんでも知っているぞ、とアピールしたい気持ちが強い。

 この瞬間に話し手は「私の香港の話はいつ話せばいいんだろう」と寂しい気分に追い込まれます。

 この人はいろいろなところへ行って話が詳しい人だとは解釈してくれません。

 ささいなことを言っているようですが、こういうことが日常生活の話の中で頻繁に起こっています。

 この話し方のスタンスが平気になってきますと、会議の席上でもこういうことが起こります。

 相手の話を最後まで聞けない、話の腰を折ってしまう。

 相手がこれからオチを言おうとしているのに、自分の話を始めてしまうことになります。

 これは絶対にやってはいけません。

 常に話している側にまわりたい、みんなの中心にいたい、聞く側はイヤだという立場です。

 子供は、えてしてみんなそうです。

 説得する人は、主役ではありません。

 主役になろうとすると、説得はできません。

 説得するためには、主役を相手に譲ればいいのです。

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中谷彰宏 [作家]

1959年4月14日、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒。博報堂で8年間CMプランナーの後、株式会社中谷彰宏事務所設立。ベストセラー「面接の達人」シリーズを含め、著書多数。中谷彰宏公式ホームページ
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