昼食を食べにレストランに行くと、定食メニューがあり、その価格が単品メニューの合計と比べて安いため、ついついそれを注文して得した気になる。

 ラーメンが単品だと780円、餃子が680円で、合わせて1460円なのに、両方がセットになった中華定食を注文すると900円で済む。40%近い割引でお得感がある。これはお店のサービスなのだろうか? 今回は、単品と定食メニューの価格をどのように設定するかについて検討する。

ケース1 単品だけを提供する

 いま、ラーメンと餃子を単品で提供する中華料理店があり、その客として、AからEの5人がいるとしよう。各人のラーメンと餃子に対する留保価格(最大限支払っても良いと思う金額、または満足の金銭表示)が第1表の第1列と第2列に示されている。すなわち、Aはラーメンが好きで、900円払ってもよいと考えているが、餃子は好物ではなく、101円以上払う気はない。逆に、Eは餃子は好きだが、ラーメンはそれほどでもない。また、ラーメンを作るのには1人前300円、餃子には200円の費用がかかるとする。