新入社員が5月病?と思ったら疑うべき「意外な病気」とは

5月の連休明けに、4月から新しい組織や会社に入った新人や新入社員の元気がない、あるいは体調不良で休みがちになる。しばしば「5月病」と言われ、うつ病や適応障害などの精神疾患が原因とされることが多いが、まったく別の病気が原因のこともあるので注意が必要だ。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

新入社員の副腎は
ストレスでヘトヘト

「5月病は、副腎疲労症候群の1つだと思います」

 と語るのは、予防医学とアンチエイジングの専門医であり、産業医も務める上符正志(うわぶまさし)医師だ。

 副腎は腎臓の上にある臓器で、日常生活を送るのに欠かせない様々なホルモンを製造・分泌している。

 中でも5月病との関係が深いのが「DHEA」と「コルチゾール」。これら2つのホルモンは常にセットで働く。

 まず、ストレスがかかると、対抗するためにコルチゾールが分泌される。コルチゾールには、血糖値や血圧を上げることで、心身を臨戦態勢に持っていく作用がある。だが、一方で、コルチゾールが分泌されると大量の「活性酸素」が発生してDNAを傷つけ、身体を老化(酸化)させてしまう。

 そこでDHEAの出番だ。

 ストレスを受けた際、DHEAはコルチゾールとほぼ同時に分泌され、急激に上がったコルチゾールレベルを元の状態に戻すように働きかけるのだ。