闇株新聞[2017年]
2017年6月9日公開(2017年6月9日更新)
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正体は明かしていない。
人気ブログ「闇株新聞」で「オリンパス事件」「AIJ投資顧問事件」といった経 済事件をきっかけに、信頼のおける解説でコアな読者をつかんでいる。 ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン(DPM)で有料メルマガ『闇株新聞プレミアム』を配信。
著書に『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)など。

闇株新聞[2017年]

闇株新聞編集部
 

『闇株新聞』は、新聞、雑誌などの大メディアの経済記者や金融業界関係者、プロ級の個人投資家がひそかに情報源にしている。連載『週刊闇株新聞』では、ダイヤモンド社グループの有料メルマガ・DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)『闇株新聞プレミアム』で配信しているディープな闇株的考察のダイジェストや「闇から暴く相場の真実」というスタンスのもと株、為替、日本国債、世界経済の今後などについて解説していきます。

闇株新聞編集部

世界の株式時価総額が史上最大だが、不安点も。
日銀の異次元量的緩和の限界が近づいてきた!?闇株新聞が見る株式市場「足下の死角」

世界の株式時価総額が史上最大の76兆ドルに達しました。日経平均も先週末に久々の2万円台を回復しています。刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」最新号では、米国、欧州、日本、中国、新興国の各市場それぞれに、好調な株式市場の「死角」となり得る要素をチェックしています。今回の本連載はその中から、日本の株式市場で気にしておくべきポイントについて、闇株新聞の見方をご紹介します。

世界の株式時価総額が史上最大だが、不安点も。日銀の異次元量的緩和の限界が近づいてきた!? 闇株新聞が見る株式市場「足下の死角」

日本株にとっての最大の懸念は
量的緩和がブレーキがかかること

 現在の日本経済は、金融緩和・量的緩和を解除できる状態ではありません。しかし、どう考えても現行の「異次元」量的緩和と10年国債利回りをゼロ近辺に釘付けする金融政策には無理があり、早晩「何らかのブレーキ」が掛かってしまう可能性は否定できません。

 日銀の毎旬報告によると、5月末時点の日銀の総資産は500.8兆円で、初めて500兆円台となりました。

■日銀の総資産500.8兆円の内訳(2017年5月末時点)
【資産】国債427.2兆円(うち短期国債37.0兆円)
    貸付金44.4兆円
    ETF13.9兆円(取得原価)
【負債】日銀券(発行紙幣)99.5兆円
    日銀当座預金351.6兆円

 ちなみに「異次元」量的緩和が始まる直前はどうだったかと言うと…

■日銀の総資産164.3兆円の内訳(2013年3月末時点)
【資産】国債125.3兆円(うち短期国債34.0兆円)
    貸付金25.4兆円
    ETF1.5兆円
【負債】日銀券83.3兆円
    日銀当座預金58.1兆円

 つまり「異次元」量的緩和を開始してからの4年2カ月の間に日銀の資産は、総資産が3.0倍、国債残高が3.4倍(短期国債を除いた長期国債だけだと4.2倍)、日銀当座預金が6.0倍になっているのに対して、経済活動を反映する日銀券は1.2倍で増加額では16.2兆円しかありません。しかも、そのうちの12兆円は「タンス預金の増加」と言われています。

 2019年10月には消費税が10%に引き上げられます。それまで「異次元」量的緩和は何としても維持しなければなりませんし、増税すればしたで景気は一層落ち込みますから相当期間は継続しなければならないでしょう。問題は、それが可能であるのかということです。

 世間では「金利が上昇すれば日銀の保有国債に巨額損失が発生する」と懸念する専門家・評論家がいますが、市中にある国債の大半は日銀が吸い上げているため、金利(国債利回りのことと思われます)は上昇するはずがありません。

 それよりも心配しなければならないことは、日銀の「国債関連の損益がマイナスになってしまうこと」です。日銀の2017年3月期末決算に、問題点が見てとれます。

このまま短期国債を買い入れていると
日銀の国債収支は早晩マイナスになる

 保有国債の平残は394兆円で前年度から83兆円も増えているにもかかわらず、そこから得られる利息収入は1兆1869兆円と、前年度から約1000億円も減っています。国債利回りが低下しても、以前から保有している国債の利率は変わらないため、残高が増えていれば利息収入が減るはずがありません。

 この理由は日銀独特の経理処理にあります。日銀の「国債利息」とは、保有国債の簿価と額面との差を償還までの残存年数で按分して計上しているのです。

 となると、額面を上回る価格で購入した国債は(ほとんどそうなっているはずです)、利息収入から償還損を残存年数で按分して差し引かなければなりません。また、短期国債は利息収入がないうえにマイナス利回りなので、毎年損失だけを計上していることになります。

 10年国債利回りをゼロ近辺に釘づける金融政策のため、利回り水準が低い(残存年数が9年以下はすべてマイナス利回り)国債を大量に買い入れていると、それだけ国債利息収入が減ってしまいます。そうしてプラス利回りのときに購入した国債が償還になるにつれ、国債利息収入は限りなく「ゼロ」に近づいていくのです。

 一方で、その巨額国債をファイナンスする日銀当座預金の大半には、依然としてプラス0.1%の利息を支払っています。マイナス0.1%を適用している部分からはわずかに利息が入るものの、2017年3月期では差し引き1873億円の利息支払い超過となっています。

 このままだと、そう遠くない時期に日銀の国債関連損益は「マイナス」になってしまいます。残存年数9年以下の国債買い入れは、いずれ減額せざるを得なくなるでしょう。そうなると市場からは「異次元」量的緩和にブレーキが掛かったとしか見えないため、日本の株式市場にとっては「かなりのマイナス材料」となるはずです。

 すぐにそうなるという話ではありませんが、それほど先の話でもなさそうで、頭に入れておく必要があります。

リーマンショック以降、世界は軒並み金融緩和・量的緩和を継続しています。肝心の景気回復には一向につながっておらず、度々の突発的悪材料により投資にも回っていなかったのですが、最近になり株式市場にだけはストレートに入ってくるようになりました。世界のどの市場も物価上昇の局面を迎えていないので当面はこのトレンドは継続すると思われますが、足下だけはしっかりと見ておかなくてはなりません。刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」では、世界の隅々まで目を配り、金融市場にどう影響するかを考察し、読者の皆様に報告しています。

 

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