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言論NPO工藤泰志「議論の力」

この国の民主主義を国民目線で作り直す
解散は「強い政治」を作るための第一歩

工藤泰志 [言論NPO代表]
【第4回】 2011年7月15日
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 前回の記事で私は、政治は一刻も早く国民の「信」を問うべきだと、主張した。

 私が言いたかったことは、この国の政治に新しい変化を起こすのは有権者しかなく、有権者は覚悟を固める局面だ、ということである。その後も政府の統治の力は弱まり、首相退陣を巡る攻防だけが政局の焦点となっている。

 あきれた話だが、被災地の知事に、「お客を待たせるのか、助けないぞ」とすごむ復興担当大臣は辞任に追い込まれ、原発の再開で首相にハシゴを外された経済産業大臣も辞意を漏らす騒ぎとなった。原発の再稼働を巡る方針で政府は腰が定まらないまま、来年には電力危機が想定される事態になっている。

胸に響いた
ある主婦からの発言

 震災復興やこの国自体の復興という、国民が直面する現実的な課題と、政局の動きの間には、目に見えるほど大きな距離が広がっている。これは統治の危機のみならず、国民が代表を選び、その代表が国民の代わりに直面する課題に取り組むという、民主主義の機能不全だと、私は考えたのである。

 こうした私の問題提起に、数多くの人が反応し、意見をいただいた。その大部分は、有権者は政治に解散を求めるべき、という私の提案に賛同し、その幾つかは言論NPOへの厳しい注文となった。胸を締め付けられるほど、共感を覚えた意見もある。

 その一部を紹介しよう。ある主婦の発言である。

 国民として、被災地と何のつながりもないひとりの主婦として今、どう行動すればいいのか、見出せずにいます。選挙があるまで、何もできないのでしょうか。プラカードを掲げて歩けばいいのでしょうか。

 前回の総選挙以来、政治の混迷も苛立つばかりで実際には、どうすることもできずにいます。次の1票を投じる機会を得るまでに、いったいどれだけの産業がダメになり、商店がつぶれていくのでしょう。10年後の市は、町は、国は、どうなるのでしょう。誰がそのビジョンを描いているのでしょう。

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工藤泰志 [言論NPO代表]

1958年生まれ。横浜市立大学大学院経済学修士課程卒業。東洋経済新報社で、『金融ビジネス』編集長、『論争東洋経済』編集長を歴任。2001年10月、特定非営利活動法人言論NPOを立ち上げ、代表に就任。その後、選挙時のマニフェスト評価や政権の実績評価、東アジアでの民間対話など、様々な形で議論を行っている。また、2012年3月には、米国の外交問題評議会(CFR)が設立した世界23カ国のシンクタンク会議「カウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)」の日本代表に選出。

 


言論NPO工藤泰志「議論の力」

言論NPOは、今年で設立から12年。日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい言論の舞台をつくろうと活動を始めた。同代表の工藤泰志が、数多くの有識者たちとの議論を通じて感じ取った日本の課題に切り込み、議論の力で強い民主主義実現をめざす。

「言論NPO工藤泰志「議論の力」」

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