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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

変貌遂げるエンディングの姿 2
――葬儀・相続を考える【第2回】

週刊ダイヤモンド編集部 田島靖久
2011年7月29日
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葬儀や墓に対する考え方はここ数年、変化し、エンディング業界も変貌を遂げている。前回は、小規模化、簡素化が進む葬儀の現状とその理由をレポートした。今回は墓をめぐる最新の動きを探る。

 静岡県の富士山麓に、1960年代半ばにオープン、230平方メートルの広大な敷地に約7万区画もの墓地を誇る霊園がある。富士の頂を間近で眺めることができ、園内には見事な桜並木が広がるなど豊かな自然も人気を集め、国内でもとりわけステータスが高い霊園の一つとされている。

 開業当時はちょうど高度成長期で、「多少遠くても、今のうちに墓を買っておかなければ、そのうち買えなくなる」と、弁当付きのバスツアーまで催されていたほど。チラシをまけばたとえ価格が高くても、瞬間蒸発的に完売してしまう押しも押されもせぬ大人気霊園だった。

 ところがである。都内の墓石販売店幹部によれば、40年あまりがたったここ数年、この霊園で購入した墓を、都心の民間霊園や寺院霊園に改葬(いったん納めた墓から遺骨を他の墓に移動させること)する人が後を絶たないというのだ。

 事情に詳しい霊園関係者は、「遺族も高齢になり、あんな山奥まで墓参りに通えなくなったのが最大の要因で、面倒が見やすい近場に改葬しようと考えるのは当然のこと」と話す。

 これに対し霊園側は、「(実際に建てられた墓の基数を区画数で除した)建墓率は98%を超えており、現在、増設も検討中だ」と否定するが、「開業から45年以上も経過した今でも墓を売り出していることからして、霊園離れが進んでいる証拠」(前述の霊園関係者)ともいえる。

 こうした状況はこの霊園だけではない。交通アクセスが悪い郊外の霊園を中心に改葬が相次いでいる。

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