正義面しつつ偏向報道
「欺瞞」こそが嫌われる元凶

 なぜ朝日新聞が叩かれるのかというと、「中立公正」「不偏不党」とか格好いいことを言っているが、実はバリバリに偏っているからだ。加計学園問題の一件でも、「社会正義」だと胸を張りながらも、実は「結論ありき」でストーリーをつくっている。

「正義」を掲げながらも、実は自分たちがつくったストーリーに沿って証拠を捏造して、自白も強要した大阪地検特捜部と同じような「偽善」を感じる。それがマスコミ不信を助長しているのだ。

 この悪循環を断ち切るには、「偏向」を認めるしかない。赤旗や聖教新聞を「偏向メディアだ!」と怒る人はいない。これらのメディアは、ある特定の人々の「正義」に偏っているということが周知の事実だからだ。

 こういう出口戦略にこそ、朝日新聞の活路があるのは明らかなのに、なかなか一歩を踏み出さない。だからいつまでたっても、「反日」や「偏向報道」のそしりを受け続けるのだ。

 自分たちが絶対的な正義だという看板を下ろさないかぎり、このネガティブイメージを拭うことはできないのではないか。

 ワイドショーでは、政治ジャーナリストのみなさんたちが、「安倍一強の潮目が変わってきましたね」とニヤニヤしながら語っている。先日酒を飲んだ新聞記者も何がそんなにうれしいのか、「第一次安倍政権の時と似てきたな」と上機嫌だった。

 個人的には安倍政権がどうなろうと知ったことではないが、安倍さんが首をとられた後に発生するであろう「マスコミへのバッシング」には興味がある。

 確かに、多くの国民が安倍首相の説明に納得していないというのも事実だが、それと同じくらい加計学園問題や森友学園問題の「マスゴミ」の報道姿勢に対して納得していない人も多い。

 そのような「歪められた報道」で一国の首相が首をとられたら、マスコミ不信に陥っている人々の怒りや憎しみがどこへ向けられるのかは推して知るべしだろう。

 よく朝日新聞なんかは、トランプがマスコミ不信を煽ったと言うが、事実は違う。もともとアメリカ人のなかに、CNNやニューヨークタイムズといった、偏向ぶりが際立ったメディアに対する不信感が広まっていた。

 トランプが大統領選に勝利する少し前、世論調査会社ギャラップが全米で18歳以上の1200人を対象に調査したところ、マスコミ報道を「正確で公平」と答えたのは、わずか32%にすぎなかった。トランプは人々のなかで膨れ上がっていたマスコミ不信を「ガス抜き」しただけなのだ。

 同じことは、日本でも十分起こり得る。というより、「歪められた報道」がここまで注目を集めている今、いつ起きてもおかしくはない。

 実は「潮目」が変わっているのは、「マスゴミ」も同じではないのか。

訂正
記事初出後、朝日新聞社より、加戸氏の発言は「加計学園問題 閉会中審査 やりとり詳報」など一部で紹介しているので事実と反するという指摘がありました。下記のように訂正させていただきました。
・記事見出し
『加計問題で重要証言黙殺、朝日新聞はなぜネットで嫌われるのか』 → 『加計問題で重要証言「黙殺」、朝日新聞はなぜネットで嫌われるのか』
・記事前文
『前愛媛県知事の貴重な証言を朝日や毎日などがスルーするという事態が起きた。』 → 『前愛媛県知事の貴重な証言を朝日や毎日などが「黙殺」するという事態が起きた。』
・写真キャプション
『かねて前川発言を支持してきた朝日新聞と毎日新聞は、この発言を黙殺してネットで大炎上している』 → 『かねて前川発言を支持してきた朝日新聞と毎日新聞は、この発言を「黙殺」してネットで大炎上している』
・本文
『しかし、朝日新聞では6月21日の「愛媛版」は加戸氏にインタビューしているものの、全国版では見事にスルー。「毎日新聞」に至っては、記事にすらしていない。』 → 『しかし、朝日新聞では6月21日の「愛媛版」は加戸氏にインタビューしているものの、全国版では前川氏の発言に触れた記事の多さと比べて、加戸氏の発言はごくわずかしか報じていない。毎日新聞も同様に、ほとんど触れていない。』
『そういう意味では、朝日新聞が今回のように加戸前知事を黙殺したというのも、実にジャーナリストらしい偏りぶりだと思っている。いろいろなご意見があるだろうが、加戸氏の証言をネグってしまうことが、彼らが信じる「正義」だったのだ。』 → 『そういう意味では、朝日新聞が今回のように加戸前知事を「黙殺」したというのも、実にジャーナリストらしい偏りぶりだと思っている。いろいろなご意見があるだろうが、加戸氏の証言を実質的にネグってしまうことが、彼らが信じる「正義」だったのだ。』
2017年7月14日 ダイヤモンド・オンライン編集部